自己改革を宣言した小沢民主党代表は選挙の直前からだが、テレビ番組にも積極的に出演しているし、笑顔や愛想も振りまくようになってきた。
 豪腕、強引で鳴る小沢が、本当に変わるのか、疑問の声も聞かれる。小泉は「人は、そう変れるものではありませんからね」とたかを括っていたが、小沢は変らざるを得ないであろう。その理由は、政治活動の環境が違うからである。
 40台で自民党の幹事長をやっていた時代は、絶対多数の大政党であり、党内をまとめるだけでよかったし、田中、金丸といった後ろ盾もあったから、他人の思惑など構わずに、強引に豪腕を振るうこともできたし、それで通ってきたのだ。先輩の総裁候補を試験の面接よろしく、順番に呼びつけてテストみたいなことをしたり、記者会見などはサ−ビスだ、と言ってマスコミに叩かれたことは有名だが、そんな気持ちになれたのだ。
 しかし、今は全く違う。小沢が自民党幹事長時代の旧社会党よりももっと少ない民主党の勢力を拡大し、政権を奪取するためには、自分自身と民主党に対する国民の信頼を高めなければならない。
 そのためには、国民との接触度を飛躍的に高めたり、マスコミをフルに活用することも必須なのである。
 それは、小泉の手練手管を横目で見ていて痛感しているはずである。
 政治生命を掛けて民主党の再生に取り組もうと決意した小沢だから、そのためには自己改革を死に物狂いでやらざるを得ない立場に自分を追い込んでいるのである。
 だから、小沢の自己改革は成功すると思う。
 村上新八