警視庁は、中華料理店勤務の原さんの辛北朝鮮工作員による拉致事件にからんで、原さんが勤めていた店や関係したとみられる朝鮮総連の機関の家宅捜査を行なった。この事件はは、26年も前に起こったこと、今頃家宅捜査をしてみても、この事件の証拠などは残っているとは思われない。
 いままでにも、こんな捜査をする機会はいくらもあったはず、辛容疑者が韓国で逮捕されて、日本人の拉致について自白し、スパイ罪で死刑を宣告されて留置されている時期に出来たはずである。そのときは全く何も動かなかったのだ。
 この捜査は、拉致を支援していた日本の支援ネットを掴むのもねらいの一つというが、拉致の実行期間がとっくに終わっていると思われる今、こんなことをやっても何も分からないであろうと思うのだが、こんな時期の捜査の真の狙いは何なのだろう。不思議で仕方がない。
 下司の勘ぐりで勘ぐってみれば、これはポスト小泉の安倍普三の差し金ではないか、と勘ぐられるのだ。
 安倍の人気が出たのは拉致問題での強硬姿勢だったが、その後一向に進展しない。9月の総裁選の前に、これを挽回しようと、一芝居を打ったのだとすれば、今度の原さん拉致問題の考古学的捜査の筋書きもつかめるような気がするのだ。
 村上新八