ブッシュ政権から非民主独裁国家として名指しで非難されているベラル−シの大統領選で、ヒットラ−の体制を評価し、終身大統領を目指すルカシェンコが80%以上の支持を獲得して3選された。
 反ルカシェンコの政治家をそれだけで拘束する、野党党首は逮捕する、不正選挙はやりたい放題、選挙には外人ジャ−ナリストの数も行動も制限する等やり口はかってのイラクのフセインそのままである。
 国営企業中心だから、生産性は低いが、ルカシェンコの親ロシア姿勢を好感するロシアから極く安くエネルギ−を買い、それを西欧に売ることによって財政を支るという不安定な経済でありながら、一方で、汚職は少なく、貧しいながら、年金、社会保障、雇用は安定しているというソ連式社会主義経済の化石
のような国だという。
 貧しい国民は、自由や民主や競争よりも、貧しいながらも安定的な生活の維持を求めてルカシェンコを支持しているのであろう。
 金銭的な利権追求とは一切縁がなく、只ひたすら独裁的権力の維持を求めるルカシェンコと貧しくても生活の安定を求める国民との奇妙な合致の上に立っている国といえるだろう。
 しかし、ベラル−シは、既に自由競争と経済発展からは取り残された社会主義の化石と化した国に成り下がっているのだ。
 村上新八