マイクロソフトやヤフ−が中国に進出する条件として、中国政府との間で「天安門」や「台湾独立」のサイトを規制することに同意した問題が世界的メディアにあるまじき言論の自由違反の協定だとして米政府は調査に乗りだした。
 これは中国政府の方針を批判するような言論は許さないという一党独裁国が取る言論統制としては珍しくはないことである。
 中国を牛耳る独裁政党、共産党は、共産主義政策どころか社会主義政策をも捨てた資本主義政党だ。ただ共産主義の残滓は一党独裁と言う形で残っているのである。そこに沢山の矛盾が生じてくる。
 それは、内陸と沿海との経済格差や貧富格差の増大などの市場経済化にともなう資本主義的矛盾ばかりではない。
 歴史的事実を歪曲して帝国主義の中国侵略の真実史を捻じ曲げていることに関する歴史教育批判の論文や新型インフルエンザSARSの発生隠蔽報道、土地収用を不服とする農民一揆の報道などに対する中国当局の弾圧もこの矛盾の表れである。
 中国の市場経済化、経済発展とIT普及は、当然のことながら、このような矛盾の多様化と大量発生の源になるのである。それは共産党一党独裁の基盤を突き崩すマグマになるのだ。そのマグマが大爆発を起こすときは中国経済がデフレスパイラルにはまったときであろう。
 村上新八