アメリカのCIAで中東情報分析を担当していた元情報官ポ−ル・ピラ−氏が、「あらかじめ決められていた結論に沿うデ−タだけをつまみ食いして政治的にりようしたものだった」と告発する論文を雑誌に寄稿した。
 アメリカもイギリスも、統治のフセイン大統領が大量破壊兵器を持っているという誤情報を信じて開戦に踏み切った、と説明されてきたが、真実はでっち上げ情報であったのだ。
 世界で最大最強の情報網を持つアメリカCIAが誤情報を流すとは考え難い。ピラ−氏の説のほうが説得力はある。
 プッシュ自身もその取り巻きもすべてテキサスの石油資本関係者だから、イラク開戦当初から、世界第二の石油資源狙いの略奪戦争ではないか、と言われてきたが、それが真実であることをこのピラ−論文は裏づけしたものである。
 哲学者ショ−ペンハウエルは、「古今の戦争で強盗、略奪、略取の意図を持たなかった戦争は一つもなかった」と述べているが、このイラク戦争も例外ではなかったのである。
 村上新八