防衛施設庁の談合態様を整理すると、

①定期化定型化されている天下り人事
②定型的な工事のメニューとこれに対応する関連企業の順調な伸び
③平均落札率96.2%、落札率100%がなんと54件も。
④予算消化率の高さ
⑤ホリエモンの「事業投資組合」紛いの「防衛施設技術協会」の存在

これらは複雑な立体図なんかではなく、一枚の簡単な平面図だ。
つまり底の浅い広い沼のようなもの、ちょいと高い所から一望すれば、
沼の底まで明瞭に見通せる筈。瞥見しただけで直ちに疑念が生じる筈。
捜査の手が入ったからよいようなもの、入らなかったら額賀とてその
まま見過ごしたに違いない。ここに歴代の関係長官が故意に談合を見
過ごしてきたのではないかという疑惑が生ずる。な〜〜〜ぜか。

自民党が永久的独裁的政権に安座している構造的モデルは、
①税を巻き上げ国債で借金を積み、年々莫大な土建業者用の予算を組む。
②高級官僚を動員し、談合構造を巧妙化し、土建業者の発育・育成・成長を促す。
③土建業者から自民党への政治献金を促す。経団連との協力関係がその例。
④土建業者を中心とする各下請け企業を含めた関連従業員及びその一党らから成る
  自民政治家のための集票能力を高め、その維持拡大を図る。
⑤以上の仕組みはそのまま地方政治の構造モデルにも応用する。斯くて、
  市町村議員選挙→市町村長選挙→都道府県会議員選挙→都道府県知事選挙
  →国会議員選挙……なる全国的なピラミッド集票態勢を確立する。

特に高級官吏は、得られた予算を100%消化する努力をすることが肝腎。
たとい予算の執行途上で無駄な事業だと分かっても、それをやめることはない。
可能な限り多額の税金を企業に流さなければならないからだ。
このような汚職連関構造は地方でも同様と考えられる。

政府は、郵政民営化を始め“公務員の削減”を掲げ、丸で公務員を目の敵にして
いるが、一番悪いのは、汚職構造を見抜かない国務大臣や族議員などの特別公務員、
そしてこれらに奉仕する高級官僚、等であって、一般下級公務員には何の罪もない。

今回のような汚職は、自民党実力政治家・族議員・高級官吏・関連企業、これらが
一体とならなければできない。もしそうならば、それは防衛に名を借りた悪質な
税金泥棒の集団でもある。

政府与党らは、天下り規制(職業選択自由則違反?)とか防衛施設庁の防衛庁への
統合(権力集中によって却って悪を隠蔽し易くなろう)などで急場を凌ごうとして
いるが、そんなものでゴマかされてはならない。“規制緩和”を掲げる小泉が今更
“天下り規制”でもあるまい。