衆院予算委で、「格差社会」に関する質問に対して小泉は「『勝ち組』とか『負け組』という二者択一はない。『勝ち組』も『負け組』になるかも知れないし、『負け組』が『勝ち組』になるかもしれない」と述べた。
 こんな『二者択一』などはありない。みんな勝ち組を目指して頑張っているのだ。どっちになろうかなと選択してかかるなどということはあり得ない。言葉遣いからして誤りである。
 それにしても、一国の宰相なのだから、社会における自由競争と所得の再配分に関する重要な基本的問題であり、事前に質問趣意書が提出されてなくても、当然質問が予想された問題でもあるのだから、自分の考え方を整理して、もっときちんとした識見なり哲学を持って語らなければならないはずではないか。
 空っぽのおつむをさらけ出したとも言えるお粗末極まる一幕であった。
 村上新八