今日から日朝交渉が始まる。日本側の課題は拉致問題、核問題、国交正常化問題だが、日本政府代表の原口担当大使は「これまでと違う結果も期待できる」と述べている。
 この理由は次ぎの三つであろう。
 第一は先の金正日の中国の経済発展状況の視察で推定される経済発展重視への政策転換で、日本の経済支援を早めようとしているのではということ。
 第二に、偽ドル事件を契機にマカオを舞台とした米国からの金融制裁で、経済的に打撃を受けているだけでなく、暗礁に乗り上げている米朝関係打開の仲介を日本に求めたいという思惑を北朝鮮が持っているのはないか、とうこと。
 第三に、北朝鮮は、日朝交渉を進めることによって、米国に孤立化感を持たせ、これに焦って米国から譲歩を引き出せるのではないかととう思惑を持っているのではないかと思っていること。この三つであろう。
 しかし、これらは北朝鮮の思惑であって、それを勝ち取るために乗り越えねばならないハ−ドル、すなわち拉致問題、核開発問題、ミサイル問題のハ−ドルは高いし、米国の対北金融制裁解除も極めて難しい。
 日米安保の関係で北朝鮮は、日本には手を出せないから、北朝鮮が核とミサイルの脅威で日本を威嚇することもできない。
つまり、北朝鮮には使えるカ−ドは何もないのだ。
 こうなると、北朝鮮はどういう手に出てくるのか。注目すべき交渉ではある。
 村上新八