耐震強度偽装の中心人物であるヒュ−ザ−の小嶋社長の衆院証人喚問は、30回にも及ぶ証言拒否で、成果はなかったが、その疑惑は強まった。証人喚問の遅れが故小嶋のガ−ドを固めさせたのだ。その責任は自民党にある。
 この証言のなかで、小嶋は、耐震強度偽装発覚後、安倍普三官房長官の政策秘書に相談したことを述べた。これに対して安倍普三官房長官は、その事実は認めたものの、「飛び込みに訪ねてきて、秘書が一回だけ面談したことはあると聞いているが、自分は全く面識はない」と述べている。
 これはウソだ。有力政治家の政策秘書ともなれば、多忙を極めているから、面識もない飛び込みの来客などがと面会することは絶対にあり得ない。事前に議員の紹介があって、面会の目的を確認した上で、きちんとアポイントメントを取らなければ会えるものではない。これでも余程つながりがなければ面会を実現することは困難であることが実情なのだ。安倍普三は見え透いたウソを言っているのだ。
 もし、小嶋社長が飛び込みで会えたとしたら、日ごろから余程親密な関係にあったことを示唆するものである。
 耐震強度偽装問題は、こうして、伊藤公介元国土庁長官や安倍普三官房長官など、自民党政治家をも巻き込む事件に発展しつつある。検察の徹底捜査を期待したい。
 村上新八