従来の法規では、犯罪加害者の更正を妨げないという視点が重視され過ぎて、被害者やその家族の感情が無視されていた。   法による処罰は、「罪は憎んで人は憎まず」 というような綺麗ごとで飾られすぎていたのだ。特に少年犯罪の場合はそうであった。  そのため被害者やその家族の感情は全く無視されていたのだ。少年犯罪の場合は裁判の被害者側の傍聴もその情報提供や記録閲覧さえも禁じられてきた。 
 これでは、被害者の人権は無視されたと同然である。 このような不条理が、少年犯罪凶悪化と激増によって、その見直しの必要性が認識されるようになり、今回の政府の犯罪被害者基本計画の作成ということになったものであろう。 
 それは良いが、それに関連して、事故犯罪が発生した際の発表にあたって犯罪被害者名の実名か匿名かの問題がある。   原案では、警察の判断に任せる形になっているが、マスコミが大反対している。スク-プ取りや取材が妨害されるから、というのが本音だろう。 
 しかし、被害者やその家族にとって、このマスコミ攻勢が一番迷惑なのだ。バカな記者が大勢押し寄せて、土足で踏み込むような格好で、「お気持ちをお聞かせ下さい」などというバカな質問をする。これには一喝して、水でもぶっ掛けたくなるであろう。 
 その意味では一応は匿名とするのががよい。その上で犯人捜査の関係で実名が必要とあれば、警察が被害者側の承諾を得た上で実名を公表するのが筋ではないか。 それは子供の誘拐事件と同じ扱いとなるが、それでよいのではないか。 
 村上新八