小泉が1月上旬にイスラエル、パレスチナ、トルコを歴訪するという。シャロン首相やアッパス議長と会談して、中東平和プロジェクトの進展に積極的な役割を果たすためだという。
 小泉は両首脳に日本をホスト国として「東京での三者会談」を打診するというが、これが実現する公算は極めて低かろう。
 シャロンは、新党を結成して、ガザからの撤退を餌にして、ヨルダン川西岸の占領地を囲んでいるコンクリ−トの万里の長城
を恒久化しょうとしているし、一方のアッパス議長は、これには徹底的に抵抗しているのだから、この両者の溝を埋めることは極めて難しいのだ。
 「東京での三者会談」をやるとすれば、こういう話し合いをせざるを得ないことになるが、現在はそのような話ができる雰囲気ではないのである。
 東アジアで村八分にされている小泉は、今年8月までの任期中に、対米追随のブッシュの忠犬役を果たした以外に何らの外交的成果をも挙げられなかった埋め合わせに中東歴訪を思いついたのであろうが、全く税金のムダ遣いである。そのカネは1億円を越えるであろうが、全くナンセンスな話である。
 村上新八