姉歯建築士と平成建や設計事務所、綜合経営コンサルタント、ERI,イ−ホ−ムズなど民間検査会社などによる耐震強度偽装事件の発覚経緯が明らかになった。
 この発覚の発端は、設計図面を見て、鉄筋量の少なさに疑問を持った設計事務所や建設会社が別の建築士の意見を求め、その相談を受けた建築士は、その図面を一見して、地震の影響を基準とされる数値の1/4くらいにしかみていないという、そのあまりの出鱈目さに「背筋がぞっとする」ほどの衝撃を受け、ERIやイ−ホ−ムズに、1年半前から何度も危険性を指摘し、通告したが、言を左右して反応が鈍く、強度偽装のままの設計で建設し続けられたということであった。
 危険を感じた建築士が、その場で国交省にでも通告していたら、それ以降の被害は抑えられたのではないか、と残念に思うが、同業同士だからそれまでは踏み切れなかったのであろう。
 こんな犯罪は、想定していなかったために、この事件を単に建築基準法違反で告訴したのでは、最高刑が50万円ほどの罰金にしかならない。この被害の大き、犯情の悪辣さから考えると、「日本ではありきたりに起こる震度5程度の地震がきたらビルが崩壊して、多くの死傷者が出る可能性は高いが、それでも構わない」と、あえてデ−タを偽装したことは明白であるから、「建築基準法違反」としてだけでなく、「詐欺事件」「未必の故意の殺人未遂事件」で関係者全員を共同正犯として告訴すべきである。
 村上新八