恒例となっていた日韓首脳の相互訪問首脳会談を韓国大統領から拒絶された小泉は、今度は12月中旬にクアラルンプ−ルで開かれるASEANプラス3首脳会議での胡錦濤中国主席との会談をも拒絶された。これまでは、この種の国際会議での会談だけは行なわれてきたが、中国はそれさえも拒絶することで、靖国小泉に対する嫌悪感を更に強く表明したわけである。
 これに対して小泉は、「私は日中友好論者ですから、友好は大事だと思っている。日本に原因があると中国は思っているようですが、私はそうは思っていません」と述べている。自分の責任だと思いたくない気持ちは分かるが、これを「耳を覆って鐘を盗む」と言うのだ、いけ図々しいにもほどがある。相手がそう思っているのだから、それを解消する努力をしない限り相手の思いは変らないのだ。小泉はこんな簡単なことさえも分からないほどバカではあるまい。
 自分が日中友好論者というなら、何故中国があれほど嫌がっている、しかも嫌がる理由がはっきりしている靖国参拝を続けるのか。自分が日中友好をぶち壊しておいて、口先だけ出鱈目を言うな。
 また、小泉は「靖国参拝は外交カ−ドにはならない。ぎくしゃくした問題があっても長い目でみれば将来理解される問題だ」と、とぼけたことも言っている。
 この靖国問題は、何十年も前から続いている問題で、「将来理解される問題」では絶対にないことは小泉が一番よく知っているはずだ。
 そうとでも言わないと、その場をつくろえないから言っているだけなのだ。
 こうして、日本は、完全に東アジアから村八分にされてしまったのだ。
 こうなれば、ブッシュ大統領にでも頼んで、小泉を一喝してもらわねば問題は解決すまい。日本のこんな村八分状態が8月以降は大きく変ることを、つまりアジア外交を真に大切にする指導者に代わることを切に望みたい。
 村上新八