基地周辺住民の要求は賠償金ではない
米軍横田基地騒音訴訟の東京高裁判決が下った。一審よりも賠償額を増額し32億円としたが、米軍機の飛行差し止めは退けられた。賠償額は一人当たり3千円から1万円という。こんなカネを貰うために訴訟を起こしたのではない。飛行そのものを差し止めるのが目的なのだ。
飛行差し止めを退けたのは、かって一審と控訴審で「飛行差し止め」を認めたのに、被告の政府側が上告し、最高裁がこれを覆す判決をしたことに基づくものである。
騒音の程度は受忍限度を越えており、違法だとはっきり判決のなかで言っているし、「法治国家として異常な事態で、立法府は、適切な国防維持の観点からも怠慢のそしりを免れない」とまで述べているのである.。
そこまで言うなら、思い切って「飛行差し止め」の判決を下し、最高裁に再考を求めるくらいの勇気を持って貰いたかった。その意味では極めて残念な判決ではあったが、基地周辺住民はこのような訴訟を繰り返し起こして、少しつづでも裁判所の良識の進展を求めるほかないのであろう。
村上新八
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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