少子高齢化社会を迎えて医療保険の改革案がいろいろなところから出されている。厚労省案のほかに健保連案や経団連案もある。
 しかし、これらは、いずれも過大な医療費増予測を前提とした、被保険者の負担増だけの数字合わせの場当たり対策に過ぎない。こんなものでは、3年おきくらいに改革と称する負担増を繰り返すことになるだけである。医療費増大の要因を睨んで、もっと根本的に改革を行なう必要があると思う。
 その要因は4つある。
1受診のはしごをする必要をなくすこと
 医師が信頼できないから、一つの病気でも何軒もの医師を訪ねることになる。セカンドオピニオンなんて言うものではない。確認のための「はしご受診」なのだ。
 これを防ぐためには、専門別に医師の技量評価を行いこれを公表すること、と医師の技能向上のために、自動車運転免許と同じに5年おきくらいに免許更新の試験をおこない。技能向上に努めさせることが必要だ。
2 ジェネリック使用を促進すること
 日本のジェネリックの使用割合は20%に満たない。欧米先進国では少なくとも40%は越えているはずである。高い医薬品は医療費負担の上で、国も患者も要らざる失費を蒙らされるのだ。同じ効果なのだから、ジェネリックを使用すべきである。
3 徳田虎雄の医療倫理と病院経営思想を浸透させること
 「医は仁術なり」と言う言葉は死語になってしまった。いまや「医は算術」化してしまっている。この医業界のなかで、仁術にのっととった病院経営をしているのは徳田の徳洲会病院ネットだけである。これを大いに見習い、本当の医療の改革を行なうべきである。
4 医学博士は、大学教授になってから与えるように変える
 学者の真似をしてくだらないテ−マで、教授におべっかを使い、博士号を取っても実際の医療技術はお粗末という医者が多い。なんのために博士になるのか、それは博士という看板で患者を誤魔化し、カネ儲けの看板とするためなのだ。これは「博士」でなく「バカセ」なのだ。 
 医療技術は職人芸だ、医者は職人に徹しなければだめである。
 この四つこそが、医療制度改革と医療保険維持のための切り札なのだ。
 村上新八