今日から3日間の予定で6者協議が開催される。今回の協議の中心は、前回の共同宣言で示された事項実施の「工程表」の作成と合意である。
 しかし、前回の共同宣言内容の解釈自体、米朝では隔たりがある。最大の隔たりは、核の平和利用問題である。米国は、「適当な時期に検討する」という文言を核兵器の廃棄や核施設の撤去、NTPへの復帰、AIEAの査察受け入れの後と解釈しているが、北朝鮮は、それらの前提条件として解釈しているのである。この差は大きいし、簡単には決着しない問題である。
 更に、北朝鮮外務省報道官は、ブッシュ大統領が金正日を「北朝鮮の暴君」呼ばわりしたことを挙げて、「彼の委任を受けた6者協議の米側代表についても全く信頼を持てない」などと発言しているのである。
 ホスト国の中国も、先に胡錦濤主席が訪朝したにも拘わらず、この第五回6者協議は、各国が意見を主張する場であるとしてここでなんらかの結果を出すことは期待していない発言をしていることからも明らかであろう。
 こうして、時間稼ぎして核製造を進展させるリスクを思わせてに米側に譲歩を迫ろうとする北朝鮮の作戦に釘を打ち込めれば成功なのだが、それがどうなるか注目したい。
 村上新八