15日に実施されたイラク新憲法の国民投票の結果は予断を許さない。シ-ア派やクルド人の投票率が高いこと、彼等は賛成投票するであろうことは分かっているが、問題は人口の2割に過ぎないスンニ派の動きだ。
 投票直前になって、スンニ派の宗教指導者の一人が投票を呼びかけたことがどの程度影響したかは分からないが、ボイコット率の低減に作用したことは確かであろう。
 この国民投票でイラク18州のうち3州で反対が2/3を越えたら不成立になる。スンニ派が多数を占める州は4週だから、この4州の投票率が低くなく、かつその3州で反対が2/3を越えて、不成立になることが一番望ましい。
 それによって、スンニ派は勝利ということになるが、投票の重要性も認識するであろうし、憲法も再検討されて、スンニ派の要望を入れた形のものになるであろう。
 その再検討された憲法て゜、再度国民投票が実施され、スンニ派の投票率が上がり、反対が2/3以下で成立することが最も望ましいと思う。これがイラク安定の本当の第一歩となるからである。
 村上新八