カナダ、スゥェ-デン、ブラジルなど6カ国が核問題特別委員会を国連に創設する動きがある。
 これは、NTP(核不拡散条約)が機能していないことや既存のジュネ-ブ軍縮会議がこの10年間何の成果も挙げていないことを不満として、核不拡散を強化するための新たな動きであり、歓迎すべきことではある。
 また、これは、先にIAEAとエルパラダイ事務局長のノ-ベル平和賞受賞で示唆されたIAEAの機能強化との絡みで考えるべき問題であろう。
 特別委の設置が決まったわけではないが、これが設置されても、核拡散の動きが強化されるかどうかは疑問である。
 北朝鮮、イランの核開発の動きは曖昧なまま続いているし、石油の高騰に伴ってこれまで消極的であった原発建設も加速されるのであろう。
 こうした核の平和利用の陰には、常に核兵器開発の影が伴うのである。
 核不拡散は人類の悲願ではあるが、国連常任理事国が積極的に動かない限り、特別委が新設されたとしても、核拡散の底流は阻止し得ないのではないか。
 村上新八