6者協議の結果を受けて、早速北朝鮮流の駆け引きに出た北朝鮮だが、北朝鮮外務次官の国連での演説で、決定的になった。
 「できる限り早く軽水炉原発を提供せよ」、これがNPT復帰やAIEAの核査察の前提だ、という主旨の内容である。米国は、勿論これを受けるはずはない。
 6者協議がもめたのは、北朝鮮の核の平和利用を認めるか、否かの対立であった。
 これを「適当な時期に協議する」というような曖昧な表現で妥協して、合意が成立したのだが、これは北朝鮮の思う壷であったのだ。
 中国は6者協議のホスト国としての面子のために、米国は、イラク問題やハリケ−ンによる打撃を受けているなかで、その上6者協議決裂という失点まで加わるのを懼れての妥協だったのであろう。
 これで6者協議は振り出しに戻ったのである。北朝鮮にゴネさせるような、変な合意があるだけにかえってややこしくなったとも言えるであろう。
 村上新八