愚民政治の要諦は大衆を動かす演出だ
小泉自民党大勝の理由は五つある
1 郵政民営化、可か否か、のただ他一点に絞って戦ったこと
郵政民営化にYESかNOか、の選挙にしてしまったのだ。この簡単で分かりやすさを狙ったこの作戦が、結果的には成功した。投票率をアップさせた。有権者は、それに視線を奪われ、今後の4年間の日本の政治を託す選挙であるという認識は薄れてしまったのだ。
2 自民党の郵政民営化法=民営化=「改革の本丸」にすり替え、それに反対するものは「反改革」と決め付ける詭弁に選挙民が、まんまとたぶらかされたこと
郵政民営化の本質など分かって投票した有権者はほとんどいないはずである。政府が、有権者に向かって説明したのは「税金を使っていた郵政事業が逆に税金を払うようになります」「国家公務員が27万人も削減されます」のいずれもウソの2点だけだったのだ。
3 非情な、思い切りのよさが、「信念の人」という有権者への「めくらまし効果」となった
こと
郵政民営化法案に反対した議員を公認せず、離党に追い込んだ非情さが、「思い切りのよさ」「信念の人」として大衆の心に映じたのであろう。この人なら何かをやってくれると誤解させたのだ。
小泉総理の背中には、小利口で執拗な利権官僚という背後霊がしがみついているから何も出来ないことは4年間のゼロ実績で分かるはずなのに。
4 「くの一刺客戦法」が有権者を面白がらせたこと
マスコミまでが喜んで飛びついたから、日本中がお祭り騒ぎになった。これはク−ルな政策論争であるべき選挙を面白可笑しい人気投票選挙にしてしまった。
5 小泉劇場の演出選挙と岡田会場真面目マニフェスト選挙との差が勝敗を決めた
「おもしろくなければテレビじゃない」思想がテレビ番組の総愚劣化を招いたが、同じく「面白い演出政治選挙」化が勝利したのだ。
これら五つの要因が、小選挙区制の魔術で、劇的な自民党の大勝をもたらしたのである。これこそ、愚民政治の要諦ともいうべき事例であろう。
村上新八
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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