小泉自民党が圧勝したのは民主党が惨敗したから。
しかし民主党が惨敗したのは自民党が圧勝したから、ではない。
それは民主党自身の脆弱性によるものである。

民主党は衆院解散劈頭まず“違憲解散”を強く指摘し、その基本的な
スタンスを明確にしなければならなかった。
なのに、“バンザーイ”などとカンタンに迎合しちゃって……。

“年金改革”や“子育て”ぐらいなら野党のままでも実現できよう。
“政権奪取”を掲げるなら、自民党永続政権の徹底的な全的否定を
貫かなければならなかった。財政破綻、外交、イラク戦争、国連改革、
地方振興、等々、課題はいくらでもあるのに、岡田演説は、
単なる「小泉個人への批判」に終わってしまった。
次に、最も不可解なのは、公明党に対する批判がゼロであったこと、
公明党神崎代表があれほど民主党を攻撃しているのに、である。

何よりも肝腎なのは、民主党の地域での日常活動がどうなっているのか、
ということ。前の総選挙が終わってから、民主党はあらゆる市区町村に
支持母体を設けるべく何等の努力をしていない。のみならず、
この選挙の間際になってあたふたと候補者を公認したケースが目立つ。
有名なタレントなら急拵えも通用しようが、地域に密着した日常活動が
なされなければ、足腰が丈夫な政党にはなれまい。