> 軍師
> 「殿、ここは急場しのぎに、イモ姫を差し出されて和睦を謀られては。」
> 
> 殿
> 「おお、軍師よ。軍師よ。
>  イモ姫はこれまで100回見合いに失敗しておるのを知ってのことか!」
> 
> 軍師
> 「勿論、知ってのことでございます。
>  殿、大丈夫でございますよ。
>  へへ。へへ。へへ。」

殿
「しかし、ただ差し出すのでは心もとないのう。」

軍師
「お任せください。
  伏兵の計を使います。」

殿
「何、伏兵とな。
  しかし伏兵も何も、イモ姫は一人しかおらぬぞ。」

軍師
「なればこそです。」

軍師
「偶然を装わせ、出会い頭にぶつけて転ばせるのです。
  人の性とは悲しきもの、その際顔など見るわけもなく、
  はだけた裾しか目は行きません。
  あとは成り行きに任せるだけ。」

殿
「さすがはわが名軍師!!」

軍師
「へへ。へへ。へへ。」

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