[思考実験] 40兆の税収に見合う政府とは?
仮に、
「税収に見合う支出をしてはならない」
という原理原則を打ち立てて、ただ今の日本において素直に実行したら、
果たしてどんな政府があり得るんでしょうか?
まず、借金を返さなくちゃならないってことで20兆円。そうするとあとの
20兆円だけで予算を組まなくちゃならなくなります。
さあ、どの予算をカットすれば20兆でもうまく行くんでしょうか?
これを具体的に示せれば将来の国家像としてあり得るんじゃないかと
思いますが、私の感覚ではどこをどうカットしたって破綻をもたらすことは
自明な気がします。
要するに、85kgに太っちゃった人を急に40kgに減量したら減量する前に
死んでしまうってことです。
つまり、先の原理原則はそれより優先される国家の存続に抵触する恐れが
あり元々不可能なわけです。
しかし、肥満を放置していたらどんどん太ってしまって、自分の体を維持する
ための食べ物さえいずれは買えなくなってしまい、やはり死んでしまいます。
じゃぁ、どうしたら良いか?
ある人がいいことを思いつきました。
「体重計の目盛りを半分にしちゃえばいいじゃん!」
80kgの目盛りを40kgに変えてしまえば万事うまく行く!!!
ところが40kgに変えてしまったもんだから食べ物が40kgに見合うだけの
ものしか買えなくて、結果40kgダイエットと全く同じ目に遭ってしまいます。
つまり、どの道、破綻しているものを一定収入、一定支出を前提として
改善しようとしたって破綻するってことです。
じゃぁ、改善するにはどうしたら良いか?
簡単です。
一言、収入を増やせば良い。
収入を増やすことに全エネルギーをつぎ込めば良い。それだけ。
支出を減らすったって限度があります。むしろ、収入を増やすための政策を
真剣に考えるべきだってことです。つまり、現在の税収を減らしている原因を
真剣に考えろってこと。
簡単に言えば、金を持っているところから金とって循環させろってこと。
さすれば、景気は浮揚し個人所得が増加し税収は自然に増えます。
過去の大型公共事業で使った多額のお金のほとんどは一部の人たちの
貯蓄になっているだけですべてが消費されているわけではないと考えます。
それらのお金の行方を追跡してどこに溜まっているのかを見極めた上で
そこに課税すべきと思います。
そもそも、過去に多額の公共事業が行われているのにその効果が薄かった
っていうのは、使ったお金を貯蓄にまわしてしまって消費してくれなかった
ことに原因があります。現に貯蓄率が増加したのは大型公共事業を
多数やって必要以上に支出を増やした時期です。つまり、そのお金の
ほとんどが貯蓄にまわってたってこと。
その貯蓄にまわったお金を吐き出させるには、お金を使わなければ
課税するっていう税制を敷けば良い。それだけ。
つまり、”資産課税”です。
相続税は大幅に引き上げるべき。(確かホリエモンも言ってたっけ)
これだけでもかなり取れます。
ただ、経済の主体である個人消費に関わる層は逆に減税すべきでしょう。
そういった層は金があれば今以上にものを買います。そういった層に
金が流れるような仕組みを定常的に作れば景気は拡大し税収も増え
自然なインフレーションと共に借金の負担も少なくなるはずです。
要は、支出を減らす一方で収入を増やすほうにもっと知恵とお金を
使うべきってこと。そのためには小さな政府には限界があることを
はっきりと国民の前に示すべきってことです。
# 小さな政府と言っても現実的にはここまでしか達成できないのだ
# ってことを予算規模も含めて示すべきってことです。
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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