テロの口実を強化するエルサレムの囲い込み
ユダヤ人のガサ入植地の撤退は完了した。これは中東和平を進展させようという意図よりもむしろ警備コストの削減とイスラエル兵力の分散化を防ぐためのものであった。それは、ガザ撤退直後にエルサレムの囲い込みを始めたことで明確になった。
イスラエルは東エルサレムの外側にあるパレスチナ4村周辺の接収を始めたのだ。これは例のコンクリ−ト隔離壁延長のためである。
イスラエルのラモンエルサレム問題担当相は「テロを阻止し、エルサレムをより安全で、ユダヤ的なエルサレムにすることこそ真のイスラエルの首都にふさわしくなるのだ」と言って憚らない。イスラムの聖地でもあり、ここをパレスチナ国家の首都としたいというパレスチナの意図を踏みにじろうとしているのだ。
エルサレムの帰属については、米国主導の「和平工程表」でも先送りされている難問である。それに、先につばを付けようとする行為である。
ヨルダン川西岸とガザのユダヤ人入植地の返還がパレスチナ和平の基本条件であり、ガザの撤退だけで済ませられる性質のものではないのだ。
これで、またイスラムテロの口実が強化されたことになるのである。アメリカは、これに懸念を示すだけでは済まされないのだ。
村上新八
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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