SPEED GRAPHER 第十七話
携帯@です。
スピードグラファー第十七話『死神成金』について雑感など。
^L
■全体を通して
水天宮の生い立ちについて語られる話です。
その所為で、雑賀も神楽たんも台詞が全くありません。
第二話の少年や前回の話の舞たんに対する態度、水天宮が子どもに甘いなと感じていた
のですが、自分が同じような経験をしていたが故なのですね。水天宮の行動の動機がかつ
て自分と妹の幸福を踏みにじったモノである、足利グループ(現在の天王洲グループ)と
お金そのものに対する復讐ということのようで、意外と普通だったのが本作的には意外で
した。何しろ、水天宮に普通の時代があったというのが信じられません(笑)。
それは兎も角、妹の唯たん萌え。あんなべたべたな感じの妹なら欲しいです。
■妹萌えだった水天宮
武「唯。何やってるんだ、お前」
唯「イヒヒ。だって一人は怖いもん」
前回ラストの続きから。執務室でオルゴールを鳴らす水天宮は「唯…」と呟く。
水天宮は妹、上野唯との別れの日を回想していた。
# 本編では一度もその名を呼ばれませんが、水天宮の本当の名前は「上野武」のようです。
朝。豪華なベッドで妹の唯に起こされた武。布団の中に妹が潜り込んでいて起こされ、
「一人は怖いもん」と言われて日には! …と妄想していたら、悪戯な妹を押し倒してい
る武ってば。きっとくすぐり放題。今は幼少時だから良いようなものの、成長の暁には…。
豪奢な洗面所で妹の歯を磨いてやる武。何故か、誰も起こしに来てくれなかったことを
除けば、幸せな兄妹の日常…の筈でしたが。
■借金なんて相続放棄すればチャラでは?
男「そう。とても沢山のお金をね。君はもう13だったね。だったら判るはずだ。お父さん
が返せなくなったお金は、君達が償わなくちゃいけない」
(中略)
男「お嬢ちゃん。これは玩具のお金だ。こんなものは使えないんだよ」
玄関で両親や使用人の名を呼んでも何故か誰もいない家。
武が扉を開けると……そこには、首を吊った両親の姿。
事態を受け入れる間もなく、屋敷を訪れた男達。
男は、武の父が借金を作ったことを告げ、武達がそれを償わなくてはならないと言う。
妹の唯はお金ならあるよと玩具のお金を差し出すが、もちろん相手にされずに唯は男に抱
えて連れ去られて行く。
唯が手にしていた陶製の人形の中に入っていたオルゴールを手にした武。
直後、武は薬で気を失ってしまう。
前回、水天宮が舞たんの差し出した玩具のお金を受け取った理由がこれで判明しました。
自分の妹のことを思い出したからなんですね。
それにしても借金の方に妹をそのまま連れ去って行くって…。その後唯たんはどうなっ
てしまったのでしょうか。再登場、しないのかなぁ。今となっては20代になってしまって
いるでしょうけど。
■売られた武
男「この汚れを知らぬ肌。儂に精気を与えてくれるようだ」
武が気が付くと、そこは怪しげな教会の中。「先生」と呼ばれた男は裸にされた武にロ
ウソクを垂らし、悲鳴を上げる武を見て喜んでいた。うわっ、最低…。
ところでEDを見ると「神谷」とあります。中の人からみてスピグラ世界の現在の内閣
総理大臣ですが、今回は総理は出演していません。すると、先生ってまさか……。
「いいか! よく聞け
お前たちの命は金で買われたんだ!
生き残りたければ
敵を殺せ!
祖国に帰りたければ
敵を殺せ!」
傭兵部隊での台詞は実際には全て字幕付き英語です。この辺り、拘ってますね。
武の次の売られ先。それは借金を方に集められた少年達による傭兵部隊。連れられて行
った戦場で見かけた少女に妹の影を見た武は、同じような境遇の少年達と共に兵士として
の訓練に明け暮れ、実戦に参加。幾多の戦場を経験する。空爆の後の廃墟で、武は何時か
見た少女が犠牲となっているのを見つけてしまう。
■ラスト・ミッション
隊長「この曲はこいつには縁起が良いんだ。最前線で7年も生き残ったんだからな。お前
の同期で生き残ったのはお前だけだ。これがお前の最後の任務だが…。すまないな…」
武「いいさ。妹が俺を守っててくれる」
隊長「待っているのか?」
傭兵として成長した武。次の作戦は上空からパラシュートで降下し、原潜から上陸する
別働隊の島にある研究所に潜入させる陽動作戦。その島は厳戒態勢が敷かれていることを
気にする武。実は、この作戦を最後に武は除隊することになっていたのだ。傭兵として売
られてから7年、同期の生き残りは武ただ一人となっていた。
オルゴールの曲に文句をつける同僚に対して、武を庇う隊長さんが良い味出してます。
先の少女の亡骸を武が見つけたシーンでも彼のことを見守っていましたので、武のことを
それこそ子どもの頃からずっと見守っていた親同然の存在なのでしょう。
■怪物との遭遇
施設のある島に輸送ヘリで接近した武達の部隊。島からは盛大な対空砲火で迎えられ、
多大な犠牲を払いつつもパラシュートで降下に成功、施設にたどり着いた武達。施設内に
先に踏み込んだ部隊からの無線が悲鳴と共に途絶えたことから、武は一人施設の内部へと
踏み込む。
そこで見たものは、全滅した友軍と四つ足の怪物の姿。
襲いかかってきた怪物を銃撃で倒したものの、怪物は一体では無く無数にいた。
同時に襲いかかってきた怪物に銃撃を加える武。と同時に、施設は大爆発を起こしてし
まう。
■フランケンシュタイン
研究者「あそこで偶然ウイルスに感染したらしいが、いかんせん肉体の損傷が激しすぎる。
本当に助かるのか?」
研究者「絶対に助けるんだ。こいつは恐らく最後のキャリアだ。こいつを失えば、これま
での研究は水の泡になってしまう。本部に裏切られようと、ここで我々の研究の成
果を失う訳にはいかん」
研究者「だがこれじゃまるでフランケンシュタインだ。拒否反応が起きたら…」
研究者「大丈夫。我々にはあの左腕がある」
施設の下敷きとなった武は、重傷を負いながらもウイルスに感染したことから最後のキ
ャリアとして施設の研究者達に回収されていた。肉体の損傷が激しすぎることから、戦友
の遺体から寄せ集めた肉体をつぎはぎして身体を再生された武。
第十話で「私は既に一度死んだ。この全身は、報われぬ戦いで死んでいった仲間達の魂
が眠る場所だ」と水天宮が言っていましたが、本当に肉体つぎはぎだったんですな。我々
にはあの左腕があるって、あれは神楽たんの父、小田原和樹の左腕ですよね。あの左腕、
そんなに特殊なものだったのかな。
研究者達は日本語を話す者が多数を占めていたことから、例の152研究所が元の技術
なのでしょう。ただ、この研究施設(というより、病院みたいですが)自体も日本にある
ようです。
やがて研究施設は本部から送り込まれた特殊部隊により、看護婦も含め一人残らず抹殺。
水槽の中に入れられていた武も抹殺されかかるが、直前に研究員が彼を目覚めさせていた
ことにより血の力を発動。銃弾を全てストップし兵士達を全滅させるのだった。
施設から外に出た武は、自分の身体の異変に戸惑っていた。
■新治達との出会い
辻堂「水天宮さん。貴方は、不思議な香りがする…」
東京。仲間である真壁と辻堂をこの辺りを仕切るヤクザ、竜宮興業に捕らわれてしまっ
た新治は、一人日本刀を持ち殴り込みをかけようとしていた。ビビっている新治の様子が
らしいですね。
そこに現れた武は、この辺りを仕切っているのがここの連中かと尋ねると、新治が差し
出した日本刀を手に一人で事務所の中へと入っていく。
事務所の中で真壁かヤクザ達にボコられていたが、そこに現れた武はこの縄張りは私が
貰うと宣言。拳銃をものともせずヤクザ達を全滅させる。
隣の部屋に入った武が見たものは……。
鼻をそぎ落とされ、裸に向かれた辻堂。辻堂のマスクの下、そもそも鼻が無かったんで
すなぁ。それだけでなく組長さん、ズボン慌ててはき直しているところをみると、辻堂相
手にお楽しみだったらしい。何だか、ホモネタが今回は続いて嫌ん。
武によって解放された辻堂は即座に組長を射殺。辻堂と出て来た武は、名前を聞かれる
と刀についていた御守りから、「水天宮」と名乗るのだった。 意外と適当な名前の決め
方です。
■神泉、そして神楽との出会い
水天宮「この国の中枢と、共通の秘密を分かち合うのです」
神泉「共通の秘密? あ…」
水天宮「そう。タブーという人間にとっての永遠の欲。その秘密を」
神泉「う…」
水天宮「その秘密を握ることで、神泉様はこの国にいいえ、人間の欲こそが万国共通なら、
いずれは世界中に強いカードを持つことになるでしょう」
地元の裏社会を掌握し、ホストクラブで神泉に接近した水天宮。
水天宮は、その左手のテク(笑)で神泉を籠絡(違)すると同時に、現在の秘密倶楽部
のアイデアを神泉に提案。
水天宮に惹かれた神泉は、水天宮を一人娘の神楽のお世話係に任命することになるのだ
った。
神楽を見上げた瞬間、何かを感じた水天宮。妹の面影を見たのかなぁ。やはりロリコ
ン? …では無くて、左腕で何かを感じたということらしい。
■水天宮の目的
水天宮「私は13の時に親の作った借金のために売られました」
水天宮「妹はたった5歳だった」
水天宮「私の家を破産させたのは、天王洲グループの前身、足利グループだった。その復
讐は終わった。しかし本当に復讐すべき相手は未だ残っている」
水天宮「あなたのような人間が、薄汚い紙切れで、私と私の家族の人生を粉々にしたんで
す。私の家族だけじゃない。私は戦場で見ていた。多くの人達が紙切れのために命
を落として行くのをね」
水天宮の執務室を夜分訪れたのは国領社長。借金を減免して貰っただけでは飽きたらず、
水天宮が玩具のお金マニアだと勝手に勘違いして、問屋を回って出世ゲームのお金を集め
て換金しようとしたらしい。馬鹿だ…。
あの時は価値があったが今は無いと言われ、そんなご趣味がと娘を差し出そうとする国
領社長。あんた、鬼畜や(笑)。
そんな国領社長を水天宮を殴りつけます。普段は金、金の水天宮が、金を忌み嫌ってい
るようなことを言うのもその生い立ちからすれば当然。金で煙草を巻く行為も、金を本質
的には嫌っているが故の行動なのかなぁ。普段の容赦無い取り立ては、金に汚い欲望にま
みれた連中から取り立てているので、良心は痛まないということなんでしょうね。
生い立ちを語りつつ国領社長をボコボコにして、最後には殺してしまう水天宮は発作を
起こして倒れます。
辻堂により運ばれ直ちに治療を受けた物の、これ以上の治療は無理と言われた水天宮。
そして水天宮は、最後の勝負だと呟く。そう言えば、そろそろクライマックスも近いんで
したっけ。
■次回予告
第十八話「第三局」
「最果ての海に揺れる運命。次回、スピードグラファー『第三局』予言。攻撃は最大の防
御」
では、また。
--
携帯@ mailto:keitai@fa2.so-net.ne.jp
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
GnuPG Key ID = ECC8A735
GnuPG Key fingerprint = 9BE6 B9E9 55A5 A499 CD51 946E 9BDC 7870 ECC8 A735