小泉マキァベリズムに惑わされる国民を憂う
世論調査では相変わらず小泉人気が高い。一時は40%台に落ちた支持率は、郵政民営化法案の参院否決後の強引な小泉対応を評価したのか、再び50%台に回復している。
党内に敵を作り、その敵を叩きのめそうとする前代未聞な強引手法が、国民の目には「かっこいい」と映ったのであろう。これは失脚したフィリピンの前大統領がアクション映画スタ−としてのかっこよさで国民的人気を得ていたのと同程度の政治センスなのかも知れない。
小泉手法は、目的のためには手段を選ばない陰険な16世紀ルネッサンスの思想家マキァベリの著「君主論」に書かれている手法そのものである。
「君主は故意に敵を作り、これを打ち滅ぼさねばならぬ」「君主は必要に応じて善を用いたり、用いなかったりする方法を学ばねばならない」「君主は愛されるより恐れられるほうが安全である」など。これらはマキァベリが「君主」に勧めた政治手法だが、小泉手法そのものである。
小泉総理の政治手法は「素人受けするスロ−ガンで方向を打ち出す」「あとは丸投げ」「立法をせかす」の三つと、法案の中身がだめでも「マキァベリズム」で押し捲るだけである。
だから中身がないののに「かっこいい!」と国民には受け取られるのであろう。マックス・ウエ−バ−が「この程度の国民なら、この程度の政治なんだ」と言ったが、それでは困るのだ。
村上新八
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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