何年に、いや何十年に一回あるかないかのあまりに酷過ぎる試合。
思えば4月下旬、中日に8対1と7点リードの試合を井川で逆転負
けを食らい暗黒の5連敗を喫してからなんとか借金1で踏みとど
まって交流戦で息を吹き返し、15カード連続負け越しなしという
抜群の安定感でコツコツと積み重ねてきたものがこの1試合で
すべて水泡に帰してしまった、それほどダメージのある試合だった。

井川は絶対に踏んではいけない轍を再び踏んでしまった。そのワリを
もっとも食ってしまったのが橋本だろう。あの流れを断ち切るには
球児しかいなかった、という声が試合後多く聞かれた。まあ結果論
と言えなくもないが橋本には荷が大きすぎる流れになっていたことは
間違いない。
試合は実質あの9点で終わった。その後続出したエラーは、ナインの
井川に対する餞別と言えなくもない。中日ファンは間違いなくこの
カードでの首位奪取と優勝を確信したことだろう。

ただ、あまりの非道さも事ここまで極められれば話は違ってくる。すべ
ての膿をこの1試合ですべて出し尽くした、という考え方もできる。
だいたい鈴木、森野の考えられない連続エラーあたりから異常な場が
セットされつつあった。山本昌で落としたことを考えればまだ救いは
ある。
この1試合で積み上げてきたものが水泡に帰してしまった、それは
逆にこの1試合ですべてをリセットできる試合となった、とも言えるの
ではないか。中日の勢いは尋常ではないが、阪神がその勢いを取り
戻す余地がないとはとても思えない。

たかが0.5差、されど0.5差。連覇のないセントラルリーグでここ2年
間の覇者同士の一騎打ち。阪神が半歩リードのスタートラインに立っ
たと思えばよい。勝負所は9月に入ってからだ。

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Takachan
takatsuka@k3.dion.ne.jp