武蔵工業大学(本部・東京都世田谷区)は学校法人五島育英会が運営する大学であ
る。五島育英会(東京都渋谷区)は東急グループの一員である。
学校法人が営利企業の傘下にあるとされること自体、好ましいこととは思われない
が、首都圏三千万住民の生命・健康を脅かす事故が起きている。
武蔵工業大学原子力研究所の研究用原子炉が1998年12月に冷却水の漏水事故を起こし
た。
12月4日、原子炉照射室内の熱中性子取出し口下部壁面より、水のしみ出しが見られ
た。しかし、多くの事故に共通して見られることであるが、この時点で大学は対策を
とらず、12月21日まで原子炉の運転を継続した。
12月21日夕方、原子炉の運転終了後に照射室内の点検を行ったところ、熱中性子取出
し口下部台上に水溜りを発見した。調査により、原子炉タンク胴部に漏洩箇所を発見
した。
また、使用済燃料貯蔵プール水の一部が熱中性子柱床面下部空洞部へ漏れて来ている
ことが判明した。以後は炉を停止し、休炉状態としている。
1999年の年明けに新聞報道で事態を知った地域住民は、早速に研究所に出向き事情の
説明を求めた。
その後、地域の住民と市民団体で「武蔵工大の原子炉事故を考える会」を結成し、大
学側に対して、老朽化した原子炉の廃炉を要求してきた。
大学側は当初、住民側の要求を拒んでいたものの、2003年5月に至り、廃炉を決定し
た。
原子炉は老朽化が進行しており、安全性の問題とともに、使い勝手からも廃止は当然
である。
しかし廃炉で全ての問題が解決するわけではない。廃炉で放射性廃棄物が消滅してく
れるわけではない。運転停止後の維持管理、安全性確保にも万全が尽くされなければ
ならない。
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