今月末に開催される6者協議について、米国は、今回は前回の米国提案に対して北朝鮮が回答をする場であること、第二に今回の協議に基づいて核放棄問題が年内に解決しない場合は協議を打ち切り、次ぎの展開に進む、という2点を表明している。米国とてはずるずると「マラソン協議」に付き合っている暇はない、というのである。これは当然だと思う。
 核保有宣言をした北朝鮮は、核保有国気分で、パキスタン型の「なし崩し核保有国入り」を狙い、それをカ−ドにして、金正日体制の保証や米朝相互の核軍縮提案でもしたいのであろう。
 こんなかき回しに米国が乗るはずはない。イラクで手こずっている米国の足元をみて付け込もうとしも無理である。
 米国との94年枠組みに違反し、小泉総理との平城宣言をも破ったばかりではなく、麻薬、偽ドル、覚せい剤からミサイルまでを世界にばら撒き、国民を飢餓と圧政の限界にまで追い込んでしまっている金正日体制は、2,3カ国を除いて世界の鼻つまみ者なのだ。こんな国を相手にくだくだ時間を費やす暇はないのだ。
 一日も早く、金正日体制の延命措置パイプを切断することが、北朝鮮の国民益と世界益につながるのである。
 村上新八