ロンドンの自爆テロの犯人像が明らかになるにつれて、このテロの性格が少しずつ明らかになりつつあるようだ。
 自爆テロの実行犯は、いずれも20歳前後の青年で、英国生まれの英国育ちのパキスタン系の二世英国人。その一人の両親はこの地域が繊維産業を中心として工業地帯として栄えた60年代に人手不足を補う移民としてパキスタンからやってきたという。
 その息子である実行犯は大学教育も受け、よい就職をするはずであったが、それが叶わぬまま、繁盛している父親のファ−ストフ−ド店を手伝っていたそうである。彼の叔父は「あんないい青年が何故?」と不思議がっているというが、彼の心のなかの何がそうさせたのであろう。
 大学まで出たのに、やりたい仕事に就けないことに絶望していた心のすきをモスクで 

の過激なイスラム原理主義の説教に洗脳されて、英国社会の移民差別を逆恨みした結果かもしれない。とすれば、アルカイダ型の反米テロとは違うものである。
 しかし、アルカイダにとっては、違おうと違うまいと、自爆テロをやってくれさえすればよいのであろうが、アルカイダの手先として利用されただけの「絶望便乗型のテロ」なのかも知れない。これはいままでの「確信犯型テロ」とは違うものであり、当然その対策も変わってこざるを得ないと思う。
 村上新八