ロンドンでの交通機関を狙った同時多発テロが、アルカイダの仕業なのかどうかは、分からない。大体アルカイダと言っても、きちんと統制の取れた組織があるわけではなく、任意的な「細胞」が点在し、それが独自に活動しているようである。だから、その犯行実行者を逮捕しても「芋ずる式」に一味を捕捉できるというものではないらしい。こうなると厄介である。特にそのテロ行為をイスラム教対キリスト教の対立という構図にしてしまうと、収拾がつかなくなってしまう。
 しかし、いまのところは、犯行声明を見ても、イラク、アフガニスタン関連の報復だと言っているから、米国による中東の石油支配に対する反発と報復に限定されているように思われる。
 とすれば、イラクやアフガニスタン及びパレスチナの安定化、民主化を図り、彼らが納得できる憲法とイスラム型民主化体制の樹立しか解決の道はないと思う。
 そのためのプロセスの促進は、イラク国民には全く信用のないアメリカではなく、国連が主導権を持って進めるべきである。アメリカは、イラクの石油利権から手を引くしかあるまい。
 村上新八