今日の社会はまさにコンプライアンス崩壊時代だ。ユビキタス時代と言われ、IT技術は便宜を提供してはくれるが、それは詐欺師どもにとっても、この上ない便宜ツ−ルを提供しているのだ。この日進月歩の悪事便宜性の進展に法的な防衛措置が追いついていないのが数知れない犯罪被害者を輩出することになっているのである。
　この詐欺を取り締まる法律ができる頃には、その手口の被害者も被害金額もピ−クに達しているのが実態である。しかも、法的措置は甘く、行政指導くらいでは詐欺師どもには痛くも痒くもない。登録や免許の取り消し、営業停止をやっても、名前を変えたり、他人の名義を使ったりして新会社を設立して新装開店するから「詐欺会社」は増えるばかりで減ることはない。
　明治安田生命のように知名度の高い会社でも信用できない時代である。商品や金融先物取引手法による「ハイリスク、被害無限大リタ−ン詐欺」「リホ−ム詐欺」「ファイル交換による著作権侵害」「振り込め詐欺」などなど詐欺手口のオンパレ−ド。今日も朝から詐欺師どもからの電話が鳴り響いているのである。
　このような詐欺を徹底的に取り締まるには厳罰主義と徹底したモグラたたきのモグラの穴塞ぎで望むしかないが、詐欺師どもより数段劣る官僚の頭脳では妙手は編み出せないのかも知れない。
　村上新八