20日ソウルで実施された日韓首脳シヤトル会談は、予想通りの平行線で終わった。
 このように、相互が意見を言いっぱなしで終わった場合には「率直な話し合いができた」という外交表現を使うようだが、小泉総理はそんな表現をしていた。
 やることに決まっているシャトル会談だけど、会談をやるかやめるか散々悩んだあげく、ブッシュ大統領の顔を立てて、いやいややることにした会談であり、しかも靖国、教科書問題が主題では、小泉総理の性格と、韓国の世論に配慮して一歩も引けないノムヒョン大統領の立場を考えれば、こういう結末になるのは当然である。ノムヒョン大統領は会談後の共同記者会見で「低レベルの合意で終わった」と表現したが、実態は「低レベル合意」以下の会談であったと思う。
 会談後の両首脳の共同記者会見でも、記者からの質問は一切禁止、その後の大統領主催の夕食会でも、メディアを一切シャットアウトするなどすべて異例づくめであった。
 まあ、両国首脳がこういう話し合いの場を
持ち続けることだけが見っけものなんだと思うしかあるまい。
 村上新八