杉山の不安定な立ち上がりに加えて赤星のまさかの退場が重なり、
貯金2ケタもお預けか、という重苦しい雰囲気が漂う序盤だったが、
終わってみれば二死からのタイムリーあり特大一発の競演ありの
圧勝であっさり貯金10を達成した。

金本の通算31球場目となる2打席連続弾に今岡のアベック弾、地元
での今季第1号となった鳥谷の芸術的な一発という大技が飛び交う
一方、上坂、町田、関本と普段脇を固める連中がチャンスでキッチリと
走者を迎え入れれば、見ていて田原が可哀想に思えるくらいの闘志
あふれる本塁突入もあり、リリーバー陣も要所を抑える安定感を発揮
するなど、投打にわたって阪神の良いところだけが目についた試合
だった。

そんなヒーローだらけの中にあって、なんといっても殊勲甲は急遽赤星の
代役で起用され、一時は勝ち越しとなるタイムリーを放った上坂だろう。
杉山の立ち上がりからして、あの勝ち越しがなければズルズルと追加点を
取られて反撃の機会もなかったに違いない。日ハム戦から代役が起用され
ればもれなく活躍する流れが続いているが、まさに一昨年の優勝当時を思い
起こさせる。

今季は交流戦という異質の要素があったとはいえ、昨季の中日に対して
感じたように貯金を2ケタに乗せた意味合いは大きい。おそらく中日あた
りはレギュラーシーズンに戻れば何とかなる、という感じでいるだろうが、
かつて阪神が日韓W杯日程で8連敗を喫した後、W杯が終わってさあ
これから巻き返し、と意気込んでいたらそのままズルズルと後退してしま
ったように、一度歯車が狂ってしまうとなかなか元に戻るものではない。
いずれにせよこのまま貯金2ケタを死守していけば、優勝争いに絡んで
行くことは間違いない。

赤星は胸部打撲の診断で、今のところ骨折の様子はなさそうだという
事は不幸中の幸いだった。また交流戦終わりで間隔の空く時期だった
こともラッキーが重なった。連続出場が途絶えることは残念だが、年間
通じて働いてもらわないといけない選手だけに、ここは十分休養を取って、
万全の態勢でレギュラーシーズンを迎えてほしい。

今日は福原に西口。緊迫した投手戦になるだろうが、リリーバーはすべて
注ぎ込めるだけに接戦になれば阪神有利は揺るぎない。福原は立ち上が
りと不用意な一発を用心すれば、交流戦を3タテで締めることは十分可能だ。

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Takachan
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