世界のIT産業の最大手のアメリカのマイクロソフト社(MS)が、中国政府に協力して中国のプログ「MSNスぺ−ス」の書き込み検閲をやっているという。
 内容は、「自由」「民主主義」「人権」「台湾独立」のような言葉が入力されると、直ちに「禁止されている言葉です。消去してください」と表示される仕組みになっているというのだ。
 「自由」と「民主主義」「人権」を金科玉条として世界に広げることをモット−としている米国のIT大手企業が、米国の世界戦略の「キ−ワ−ド」である言葉をITネットから削除するという仕事を請け負うとは、これも商売とは言え、情けない限りではないか。
 「衣食足りて礼節を知る」というが、著しい高度成長で豊かになりつつある中国で、国民が次に求めるものは「自由」と「民主主義」「人権」であるはずで、それにはITネットワ−クが大いに貢献するであろうと期待していた。中国政府は勿論これを嫌うであろうが、ITの民主化促進力には太刀打ちできないであろうと予想していた。が、アメリカ企業がこのトレンドを押し戻す壁になるとは思いもよらなかった。
 MSの広報担当者は「検閲があっても、何百人の人が情報をやりとりするのを助けることができる」と言っているという。問題はその「情報」が規制され、抑圧されてた情報になり果てているということなのだ。これでは本当の人民の声にはならないということなのだ。
  村上新八