20日ソウルで日韓首脳会談が行なわれる予定である。先には、韓国側は「状況が何も変わっていないから、首脳会談を開催しても意味がない」と消極的な発言をしていたが、尤もだと思う。しかし、その後ノムヒョン大統領の訪米でブッシュ大統領に「日米韓の結束が大切だから、日本とはうまくやってほしい」と言われたことが利いたのか、会談をキャンセルするということにはならなかったようだ。
 日本側は、首脳会談前の事務レベルの話し合いで、戦時中の徴用韓国人の遺骨送還、在サワリン韓国人支援などを戦時の清算事項として提案するなどを考えているが、こんな対応で韓国が納得するとは到底思えない。盧大統領は相変わらす、靖国問題、竹島問題、教科書問題を持ち出すのは決まっている。これに対しては「適切に判断します」などの常套的国会答弁では済まされまい。その上、例のディプロマティック感覚ゼロの中山文科相の「従軍慰安婦」などの言葉はなかった」発言で韓国の怒りに油を注いでくれたこともあって、韓国側は日本の政治家の「歴史認識」に強い不信感を募らせているはずである。
 こんな状況で日韓首脳会談に実りどころか何かの進展を期待することさえも絶対に無理と思わざるを得ない。
 村上新八