SPEED GRAPHER 第七話
携帯@です。
表稼業が炎上中ですっかり間が空いてしまいました。
3話分、一気に書き上げようと思います。
良く考えると視聴者数がかなり限られているので、そもそも何人の方がこの記事を読んで
いるのか謎な作品。
SPEED GRAPHER 第七話『猟奇ドリル』について雑感など。
■全体を通して
これまでの事件が無かったことにされていたり、上層部からひばりたんに圧力がかかっ
たり。刑事ものの王道といった展開。
それは兎も角、雑賀の戦場カメラマン時代の過去が雑賀の知人達によって明かされる話
です。…と思っていたら、最後の最後で神楽たんの思いがけないヒミツが明らかに。これ
は全く予想していなかったので吃驚です。彼女に幸福な結末は得られるのでしょうか。母
娘共々分かり合った挙げ句お亡くなり…なんてバッドエンドだったら嫌ん。
それと、ビルの上で匂いを嗅いでいた辻堂と真壁の掛け合いのシーンには笑いました。
犬もハイテクには勝てないのか。
^L
■カメラマンには戻れない雑賀
ボブ「雑賀、ユーは平気? 相手は政治家やポリスのトップにも顔が利くんでしょ。早く
あの子を返して、元のカメラマンに戻りなさいよ」
雑賀「それがもう…」
港の倉庫でボブと待ち合わせた雑賀。ボブは雑賀の部屋からカメラなどの撮影機材一式
を持って来たのだ。
ボブは雑賀が天王洲グループと関わっていることを心配し、神楽を返してカメラマンに
戻るように勧めるが、雑賀はカメラで廃車を爆破してみて、もう戻れないことを示すので
した。
雑賀、ディヴィッドが男だと知っても「妹」と表現しているのが何とも。
撮影機材が無事なのに「連中には必要ないからな」という雑賀。写殺能力のことを知ら
れているのに、カメラを放置しておく訳ないのに「?」な台詞です。ひばりたんが部屋で
待ち伏せしていたために、部屋に踏み込んだヤクザが瞬殺だったことがカメラが無事だっ
た理由だと思うのですが、雑賀はそのことを知らなかったんでしょうか。たれ込んだのは
自分なのに……。
それは兎も角ボブに会釈したり車が爆破されてしまうのを見て悲しそうな顔をする神楽
たんが何とも萌えです。
■人間ドリル
新治「そいつも含めてそろそろツケを払って貰えねぇかな」
歯医者の診察台に縛り付けられたうら若き女性。
その顔は恐怖に歪んでいた。
その歯を美しいという歯科医、溝ノ口はより磨きをかけてあげようと言うと、ドリルで
歯を削り始め……っておいおい、血がドバドバ出ているんですけど。
待合室で耳を塞いでいる新治。歯を削る音がするのは、幾ら聞いても嫌な音ですよね。
気持ちは判ります。それにしても、ドリルを使ってもそうそう歯は簡単に削れるものでは
無いと思うんですが、血がドバドバと出て来るというのは、歯どころかその先まで削りま
くっているということなんでしょうか(笑)。
それだけでは足りないのか、溝ノ口の背中からは何本も触手が伸びていきます。
触手のお約束で粘液を垂らしているそれの先には、全てドリルがついていて、これまた
触手のお約束通り女性の穴を求めて殺到していくのでした。
あ…穴と言っても口の中ですからね、もちろん。
一斉にドリル付き触手を口の中に突っ込まれた女性はついにぐったりとなってしまいま
す。
治療(?)室から出て来た溝ノ口に新治は、そろそろツケを払って貰えないかと言うの
でした。
■上部からの圧力
ひばり「三日で判決が降りるのか? あ?」
署長「降りたんです。後、この事件には今後一切関わらないようにと。あ…」
ひばり「あんた。そんな役人の命令をはいはい受けて、この町を守ろうって気はあん
の?」
署長「私があるのは家のローンと娘の学費だけです。はい」
雑賀の家でひばり達が捕らえたヤクザ達は僅か三日間で全員釈放されていた。
署長に詰め寄るひばりに、初犯なので執行猶予付きの仮釈放という判決が僅か三日で降
り、しかもこの事件には一切関わらないようにと言われたという話を聞かされたひばりは
怒る。
上層部から捜査中止の圧力がかかると言うのは、刑事ものの定番。もちろん、そんなこ
とに従うひばりではありません。
■事件は無かったことに
釈放されたヤクザ(EDではチンピラでしたが)の一人を追い込み、ナイフで反撃して
来た彼をあっさり倒すと、知っていることを全て話すように言います。
しかし、彼は雑賀を捕まえろという命令以外のことは何も知らず、結局収穫は未だ雑賀
は捕まっていないということのみ。
去りかけるひばりにナイフを拾って逆襲しようとするヤクザ。しかしひばりたんは後ろ
に目でもついているのか、後ろ向きに発砲してナイフを飛ばします。視線を後ろにも向け
ていないのにこの射撃は凄すぎです。
ひばり「一体どうなってるの? あいつのアパートが襲われたことも、あいつが言ってた
地下火災も、深夜のお台場の発砲騒ぎも、全て無かったように扱われている」
雑賀の関わったと思われる事件は全てが無かったかのように扱われていました。
雑賀の部屋を訪れたひばり。荒らされている部屋の中でシャツを拾い、匂いを嗅いでい
るように見えるのが彼女の情の深さを現していて良いです。
その際、ひばりはシャツの胸ポケットに鍵が入っていることに気付きます。
その鍵は雑賀が借りていた倉庫のものでした。中には段ボール箱が無造作に積まれてい
て、中にはフィルムがぎっしりと。……ええと、フィルムってこんな無造作に保管してい
て良いものなんでしょうか。見た所、空調もまともで無い倉庫に見えるのですが……。
ひばりたんはそのフィルムの山を警察の鑑識、椎名の所に持ち込みます。
今回限りのキャラかと思いきや、彼は2話後でひばりたんの部下になる運命。
■トンネルを抜けると海だった
神楽「わー。綺麗。ここ、どの辺なんですか?」
雑賀「下田辺りだ。歴史で習ったろう? 初めて黒船が来た所さ」
車で伊豆までやって来た雑賀達。ところで黒船が初めて来たのはそれがペリーを差すの
であれば、学校で習うレベルであれば浦賀だと思うんですが。下田は初めて領事館を開い
た場所。
神楽「へー。雑賀さんって、海の向こうに行ったことあるんですよね」
雑賀「ああ」
神楽「私、日本から出たこと無いんです。正確に言うと、関東から出るのもこれが初めて
なんです」
雑賀「最近は修学旅行とか、結構遠くに行くんじゃ無いのか?」
神楽「行かせて貰えませんでした。家族旅行も記憶に無いし。変な家族なんです。お母様
は何故か、私を嫌ってるし。…あ、そうだ。この間、雑賀さんと一緒に海に浮かん
だの、きっとあの時が初めて陸から離れた…あ…う…うう…」
まさしく、箱入り娘だった神楽たん。家族旅行に行かないのは、神泉さんが仕事で忙し
いのだろうし仲も悪いしで理解出来るのですが、修学旅行すら行かせて貰えないというの
は尋常ではありません。自分の所から少しでも離すまいとするその理由は何なんでしょう。
そんな話をしていると神楽は突然頭を抱えて苦しみます。
座席を倒し休憩する神楽。雑賀は、これから向かう先が医者だと言い、自分達の身体を
調べて貰おうと思っていると告げます。
■嗅覚もハイテクには勝てず
ビルの給水塔の上に立っている辻堂。同じビル屋上にいた真壁が受けた電話は、警察の
交通課長から。高速道路のNシステムにより雑賀達が東名高速の御殿場インターから降り
たということを知らされた辻堂は、車で溝ノ口を運ぶ新治に伊豆で合流すると連絡。
警察の課長クラスまで、秘密倶楽部のメンバーなのか。無料でご招待というところから
すると、普段はお金払っているんですよね。課長程度の給金で払えるのかな……。事件も
み消しで代金の代わりということかな。
真壁「お前の鼻もハイテクにはかなわんのだな」
辻堂「ふん。何十キロも先まで匂ったら、とっくに頭がおかしくなってるさ」
あんな場所に立っていたのは、本気で匂いを嗅ぐつもりためだったらしい。それなのに、
真壁に突っ込まれた時の辻堂が言い訳しているのが可笑しい。
■崖の上の診療所
墓参りをしている男。その男、両国の開いている診療所にやって来た雑賀達。
崖の上の診療所って何となく現在放映中のBJ先生という気が。
診療所の中で両国から、診療所を閉鎖してNPOに戻ると聞かされた雑賀。
実は両国の妻は三ヶ月前に癌で亡くなっていたのだ。
医者が身近な者の病気に気付かないなんて、お約束すぎます。
両国「それより、わざわざ俺のところを訪ねて来るなんて。何の用だ。まさか、こんな若
い彼女を見せびらかしに来た訳じゃないんだろ」
若い彼女と言われて顔を見合わせてしまう二人が可愛い。
雑賀は、二人の身体をDNAレベルまで検査して欲しいと言う。
診療所の設備ではレントゲン程度しか無いと言われると、両国のコネで何とかと頼み込
む雑賀。両国は雑賀の頼みを聞き入れ、知り合いの総合病院に頼むことを約束するのでし
た。
■有名人だった雑賀
鑑識「カメラやってて知らない人はいません。どれもこれも凄い写真だ。この人の写真に
は世界の歴史が詰まってる。僕には想像もつかない世界だ」
その頃、鑑識で現像された写真を手にしていたひばり。
鑑識の椎名は写真が雑賀辰巳のものであると見抜いていた。
しかしジープが爆発する瞬間とか、撮られている写真はエグいものばかり。
■雑賀の過去
検査を受ける神楽は、両国に雑賀がどういう人なのかを尋ねる。
同じ頃、戸越を訪ねたひばりも雑賀の過去を尋ねていた。
同時に複数の箇所で複数の人物が雑賀の過去を語るという演出です。
戸越「正直、驚いたよ。金だけが全てのこの時代に、こんな奴がいるのかと。何かに命を
捧げると堂々と言ってのける若者がね。…半月も立たない内に、奴は本当に戦場か
ら写真を送り始めた。奴は言葉通り命をかけ、来る日も来る日も戦場を彷徨ってい
た」
戸越は、十年前に社会派の週刊誌に居た頃、雑賀が自費で戦場の写真を撮るので買って
欲しいと売り込まれた時のことを語る。
戸越「彼らの写真は、戦場では何の役にも立たん。だが、遠く離れた人々が目にした時、
そして又、時が経って誰もがその事実を忘れかけた時、その写真は輝き始める。そ
の写真を見たものは、今の俺やあんたのように、心が揺さぶられ、彼らが観た歴史
の瞬間に、共に立ち会うことが出来る」
戦場で写真を撮ることに何の意味があるのか理解出来ないひばりに、戸越はその意味に
ついて諭します。
ひばりたんが戦場報道の意味について理解出来ないということが意外。雑賀が、お金と
かそういうものに価値を置かない人物であることも、写真に命をかける男であることも判
っていたでしょうに……。
このシーン。雑賀の戦場カメラマンの活動シーンが入ります。
反政府勢力に対する探索攻撃(サーチ&デストロイ)作戦にUS通信のシドと参加した
雑賀。雑賀は戦場でも有名人で、一緒にいると生きて帰れるという噂まで立っていたらし
い。そのシドも雑賀に負けじと撮影していたら、地雷を踏んであっさり死亡。
神楽「雑賀さんの生き方。凄すぎて良く判りません」
両国「そうだな。戦場の極限状態なんて、その場にいたものじゃなきゃ、判りようも無い
さ。戦争に慣れ、死体を見るのになれ、終わらない戦いに身体も精神も疲れ果て、
心の中で何かが麻痺していく」
…ちなみにこの話をしている時煮神楽たんは検査服を脱いでいます。
戸越「その後奴は瀕死の重傷を負い、粗末な病院で廃人のようになっている所をNPOの
両国という医者に助けられた。俺は奴を強制的に帰国させた。だが、今じゃアイツ
を連れ戻したことを後悔している」
ひばり「後悔?」
戸越「この国に帰って来て奴の目は死んだ」
廃人になっていたのは公式サイトによれば「麻薬漬け」だったらしいのです。
それで、パスポートも剥奪されていたらしい。
しかしそれでも、戸越は戦場こそが雑賀の生きる場所だったのだと言います。
■あんた、あたしにも退屈だったの
雑賀「やはり、レンズや焦点距離で威力が変わるのか」
その頃雑賀は森の中でカメラを変えながら撮影して、レンズや焦点距離で威力が変わる
ことに気付いていた。
戸越の所から立ち去ったひばりは、「あんた。あたしにも退屈だったの」と呟くのでし
た。
■余命半年
両国「はっきり言おう。彼女の命は保って後半年」
その頃、辻堂は両国診療所で神楽の匂いを突き止め、診療所に突入。
その頃雑賀達は総合病院にいて、神楽はCTスキャン装置にかけられていた。
神楽が赤ん坊を抱いて笑顔を見せている時、両国は雑賀に神楽の家族はと聞く。
家族はいないという雑賀に両国は、神楽の頭の断面写真を見せる。
神楽の頭には摘出不可能な腫瘍が出来ていて、余命は後半年なのだと…。
神楽たんの不幸っぷりはここまでも描かれて来たところですが、余命幾ばくも無いとい
う不幸まで積み重なるとは正直、想像していませんでした。
視聴者一同が驚愕した(…と思う)ところで、次回へと続きます。
■次回予告
第八話「神楽のともし火」
「僅かばかりの安堵。明かされる暗黒の行く末。次回、スピードグラファー「神楽のとも
し火」予言。ピアノの音色が止む時、山が動き始める」
既に死が迫っていることにも気付かず、ピアノを弾く神楽たんが悲しい。
では、次回記事へと続きます。
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