審議拒否をしていた民主、社民両党が復帰し郵政民営化特別委員会の本格審議が始まった。
 この期に及んでもなお「そもそも論」や「なぜ今論」「分からない論」が出てくるというのは、この法案がいかに不可解千万な法案なのかを裏書するものであろう。
 自民党反対派の総帥綿貫氏は、「郵政公社改革法案」を議員立法で提出したが、これは党の承認がないという理由で衆院議長預かりということになった。これを承知でPRの目的で提出したのである。
 小泉総理は、民営化すれば効率が上がるから民でできることは民で」という単純な思い込みで強行しようしているが、民営化には、いろいろ問題がある。民主党委員が指摘したように、「ビジネスモデルもなしに骨格予想と称して雑駁な見込み数値」を出し、そのなかの労務費に社会保険料が入っているかどうかとか、特定郵便局が減るのか増えるのかとか、公社職員の過去勤務債務(退職給与引き当金)の積み立て不足分6兆円があるのに、株の売却ができるのかなどという問いにさえ答えられなかったり、ひどい雑駁法案であることが分かった。
 更に、この法案成立に米国の「狼ファンド」がてぐすね引いてまっているという情報もあるのだ。かっての長銀を2兆円の持参金月でように買い叩いて買った味を忘れられず、民営化される公社で「柳の下の二匹目のどじょう」を狙おうというわけである。分社化されるとは言え、世界最大340兆円の預金額を擁する超ス-パ-金融機関だから、「狼ファンド」が狙うのは当たり前である。
 いくら「子羊竹中」でもそのリスクを知らないはずはあるまい。
 「はじめに民営化ありき」ではなく、「郵政公社で改革をする」のと「民営化」との優劣の比較などを含めた検討を第三者の専門家機関にやらせるなどを含めて、もっともっと時間を掛けて検討しないと、「小泉功成って、国民枯る」ということになりなねないのだ。
 村上新八