5年ぶりに開催されたNTP再検討会議は、3委員会とも合意文書を出せずに閉幕するという完全な決裂に終わった。
 小型核兵器開発の抑制や包括的核実験禁止条約を審議する核軍縮担当の委員会は米国の反対で、中東などの核不拡散を取り上げた核不拡散担当の委員会はイランが非難されることを嫌って、更にNTP脱退の制限を討議した原子力平和利用担当の委員会は平和利用の道が制約されるとのエジプトの横車で、という具合に3委員会とも合意がまとまらなかった。
 誠に残念である。これを喜んだのは、NTPの外にいて核開発に励む北朝鮮と核の闇市場で荒稼ぎする核商人たちばかりである。
 こういうことが、非核国のなかで核開発を意図する国を生み、核の闇市場を活発化させ、NTPが閉店に追い込まれる状況を引き寄せ、過激派テロに核兵器が渡るる事態につながるのだ。
 村上新八