去る4月29日、胡錦涛中国共産党総書記と台湾の野党国民党の
連戦主席との会談が台湾の人々の好感を得たと思ったら、
5月12日、陳水扁台湾総統と政策合意中の台湾の第二野党親民党の
宋楚瑜主席が訪中し、「台湾は中国の一部」原則を踏まえ、
堂々と「台湾独立反対」を表明。台湾の独立を目指してきたはずの陳総統も、
これらの会談は中台関係正常化のパイプになると歓迎し、
親書を宋主席に託した次第。台湾政権は、
中国からのパンダプレゼントの申し入れについても原則受入れを表明した。

「反国家分裂法」成立直後に膨れ上がった反中国百万人デモの勢いはどこへやら。
これを“華夷変態”に因み、「台湾変態」⇒「台変」⇒「タイヘン」と称する。

日本の右翼共は、自分達の希望的観測とは勝手が違い始めた台湾人民の動向に、
指を銜えてあれよあれよと眺めるばかり。結構、結構。

日本の右翼共の鬱憤晴らしの矛先は、中国の“反日分子”、韓国の“反日分子”、
特に“反日”とは言っていないはずの“北朝鮮”、そして日本国内の
“反日異分子”に向けられる。たとえば、
「教科書問題に火をつけた日本国内の一部の勢力を非難する」
岡崎冬彦(中央公論6月号)のように。