経済力が高まってきたASEAN諸国と日本中国、韓国が12月に東アジアサミットの開催を予定している。これは02年の小泉首相のシンガポ−ルでの演説がきっかけになったものである。
 これに米国が神経を尖らせている。日本が米国に気を使ってオブザ−バ−での参加を呼び掛けたのに対して、「太平洋は米国が所有しているようなものだ。どうして我々が会議の後ろの方に座ってメモをとらなくてはならないのか」とさえ言う米政府高官もあるという。
 米国は、中国が東アジアサミットを足場にアジアでの覇権を目指そうとしていると警戒しているのであろうが、このような、聞いていられない鼻持ちならぬ米国の傲慢ぶりは世界に大変悪い印象を与えかねないものである。
 中国は表面では、ASEANtが主導権を持つべきだ、などとは言っているが、次回の開催地を中国に求めるなど、その下心はみえみえである。このような国際舞台では政治的思惑は必然だから、それをなくすことは出来ない。米国は、そこでの中国の動きや参加国の反応を察知してこれを米国の戦略に反映させるための好機としてオブザ−バ−として参加すべきではないか。そのほうが「世界覇権」を狙って、自分が主導権をとらないと承知しない米国という傲慢な印象を消す効果もあると思う。
 村上新八