わたしの心はかなしいのに
プラットホームの白線をジグザグに
女子高生が行進してゐる

わたしの心はかなしいのに
裾の短いスカートからはみ出したふとももは
白くあるひはあはあはしい栗色をしてゐる

その毛先は人ごみを縫うつむじかぜのように
わたしの心を逆撫でてゐく

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のりたま@中野重治