SPEED GRAPHER 第一話
携帯@です。
4月はどうも忙しくて、新番組を予めチェックしていた一部を除いて殆ど観ることが出
来ませんでした。
黄金週間で視聴時間が取れたので、その他の作品群を観ていたところ、今回はこの作品
について追いかけてみようと決意。既に5話まで放映されてしまっているので、追いつく
のが大変だし今更でもありますが。
既に第5話までチェックを完了しているので、記事を書き次第、順次記事を投稿して行
きたいと思います。放映地域が限られているので、フォロー記事が無いかもしれないけれ
ど……。
GONZOが自社提供までして放映した馬鹿アニメ(断言)
SPEED GRAPHER 第一話「背徳都市」について雑感など。
^L
■全体を通して
本作を観てみようと思ったのは、公式サイトで神楽たんを見たからです(ぉぃ)。良家
の子女で実母から何故か虐待され、いかがわしい儀式に参加させられていたり、それでい
て世間知らずで人を疑うことを知らないなんて、読んだだけで無茶苦茶萌える設定じゃあ
りませんか。
ところが第1話ではその神楽たんの出番が殆ど無く、ハードボイルドな雰囲気を漂わせ
るカメラマン、雑賀が薬事法改正に反対する議員の死亡事件を追う内に、謎の秘密倶楽部
についても追いかけることになり…という主人公が事件に巻き込まれるまでの過程の話で、
実は最初観た時には数分で観るのを止めました。
その後、少女が腕をぽっきりと折られる残虐シーンがあると知り、ますます観る気が減
退し、観たのは放映後1ヶ月を過ぎてからです。
変態ゴム鞠男、白金の狂気。雑賀の協力者にしてストーカー、ひばりたんの暴虐っぷり。
残虐シーン。秘密倶楽部の怪しげな雰囲気。
これらを何らの躊躇いも自主規制も無く、正々堂々と出してくる作り手の姿勢に、これ
は続きも観てみないとという気になりました。
でも、未だ第1話はこの作品の魅力の一部を現しているだけなのです…。
■それは俺のカメラが人間の運命を捉えた瞬間だった。
東南アジア。ジャングルでの銃撃戦。
その最中を写真撮影を続ける戦場カメラマン。
その男、反政府軍のゲリラとおぼしき人物に銃を向けられ警告を受けながらもカメラの
ファインダーを覗き込んだまま。
射殺されてしまうのかと思った瞬間、政府軍兵士によりゲリラは射殺。その瞬間をカメ
ラは捉え続けていた。
兵士に声をかけられても無反応なカメラマン。その股間の様子に、兵士は「変態め」と
呟き去って行く。
そんな過去を持つそのカメラマン──雑賀辰巳(声:高田裕司)──は現在、首相官邸
で強引に薬事法を改正しようとしている首相に群がるマスコミの一員。
首相の前に立ちはだかりファインダーを覗き込んだ雑賀は言う。「つまんねぇな。あん
たの写真」と。
…という訳で、本作の主人公、雑賀辰巳。元戦場カメラマンの登場です。
冒頭でいきなりその変態振りが明らかになっていますが、今はつまらない写真を撮りな
がらくすぶっているという雰囲気。冒頭の戦場はベトナムにしか見えないのですが、公式
サイトでの彼の年齢は33歳、18歳で戦場カメラマンとなったそうなので、1990年頃のどこ
かの紛争地域なのでしょう。
さて、強引に薬事法の改正を進めているという首相。何だか郵政民営化を強引に閣議決
定しようとした某首相を思わせますが、こちらは如何にも俗物っぽい顔をしています。何
で薬事法改正にそれ程執着するのか不明ですが、きっと本作のストーリーと何か関わりが
ある筈、はず…。
■違う! こんなのは本当の私じゃない。本当の私は…
世界経済を巻き込んだバブル紛争から十数年。
世界はグローバルスタンダードによって支配され、富める者は益々冨み、貧しい者はま
すます貧しくなる世界。
世界の勝ち組が集まる町、東京が本作の舞台。
雑賀の解説からすると、時代は恐らく今我々が過ごしている現在。ただし、経済の動向
は現実世界とはちょっとずれた東京なのでしょう。
そんな東京の劇場で、ボレロをバックにバレエを踊る男。
そつなく演技を終えたその男──白金克也(声:子安武人)──は、贈られた花を蹴り
飛ばしてこんなのは本当の私では無いと不満そう。
楽屋に入ると、白金に娘を弟子入りさせようとしている国分寺母娘が待っていた。娘に
踊ってみるようにという白金。
さて、通称「変態ゴムまり男(通称にはバリエーションあり)」白銀克也の登場です。
筋金入りの変態で、本業は世界的に有名なバレエダンサー。身体のしなやかさを求めるう
ちに、ゴムと同化してしまったユーフォリアの一人…と、公式サイトを見ると判ります。
白金「駄目だ駄目だ! そんなに固くては! もっとしなやかに! ゴムのように」
そう言い、娘の腕を曲げる白金。痛がる娘にも構わず曲げ続けた結果…。
ぽっきりと白金は娘さんの腕の骨を折ってしまいました。
実はこの話を某所で事前に読んでいたので、観るのが何となく怖かった。
それで、正直観るのを大分躊躇ってました。
しかし、こんなことして傷害罪とかで訴えられないのか?
……と、初見ではそう思ったのですが。
そう思うだけ無駄な馬鹿世界観(褒め言葉)でした。
ただ、それが判るのは今少し先のことになります。
母親が叫びながら娘と出て行った後、水天宮という男からの電話を受け白金は未だ今夜
は舞い足りないと要請を快諾します。
■正当防衛、だからね
首相に強引にカメラを向けたため拘束されてしまったらしい雑賀は、新都心署特務課の
女警部である銀座ひばり(声:本田貴子)が公安に手を回したことにより釈放される。
電話で幾ら使ったと思ってるのと言うひばりはどうやら実弾を使ったようですが(良い
のか?)、あまり雑賀は感謝している風も無し。
そんな雑賀に、ひばりは薬事法改正に反対している厚生族の中野議員から、SPの増員
要請があったと教える。
電話の向こう側のひばりはヤクザの組長に黄金色の拳銃を突きつけていた。
ひばり「ふー。て訳で、色々と物いりなのよ。今月はお月謝、弾んで貰えるかな」
麻薬を見逃すのと引き替えにヤクザにみかじめ料を要求するひばりたん(笑)。大体、
黄金色の拳銃なんて、間違っても官給品では無いですよね? 良いんですかそんなの持ち
歩いて! 大体、ヤクザから金貰って良いんですか。
……などということを気にしてはいけない世界でした……。
もちろん、黙って従うヤクザではありません。背後でナイフを持った組員が。
いきなり発砲! 腕が千切れ飛びます(笑)。
あ、ついでに発砲の時に胸が盛大に揺れているのもチェックポイントでしょうか。
腕を吹き飛ばしてから「正当防衛、だからね」と言うのがナイス。
拳銃を持ち出そうとする組長に、もう一丁の拳銃を突きつけ「正当防衛、しちゃうよ」
と言うひばりたんでした。
本作品はフリーカメラマンの雑賀が、探偵ものやスイーパーものの主人公のような位置
にいる訳ですが、そのような話の場合に欠かせない、警察内の協力者、銀座ひばりたんの
登場です。ちなみに28歳。
公式サイトによると、「合法的に銃を撃てるから」という理由で警察庁のキャリア組と
なったのだそうですが、出世街道からはみ出し新宿の新都心署特務課の警部として勝手気
ままな日々を送っている…らしいです。
しかし勝手気ままと言いつつも、色々な意味で主人公よりもヤバい警察の協力者、しか
も女性というのは結構珍しいかもしれません。
ちなみに粗暴にして凶暴、しかし惚れた相手には一途…らしい。
ガンコレクションなどの趣味を持つようですが、公式サイトみると銃身やグリップに何
か彫ってあります。特注品か。拳銃の種類は判らないので、どなたか識者に教えて頂きた
いところですが。良く見かける形ではありますが。
■ああ…この感触、この香り、このしなやかさ
ビルの屋上。ゴムスーツに身を包んだ白金は空に身を躍らせる。
ホテルの窓からゴム鞠のようなものが飛び込む。
中にいたのは中野議員と製薬協会の理事。
ゴム鞠は人間の形となり、奇声を上げながらSPの放つ銃弾を身体で受け止めてしまい、
首をねじ切り惨殺していく。金なら幾らでも出すという中野議員も同様。
■てかあんた、写真撮ると何時も興奮してるのね。この変態
ひばりの情報を受け、中野議員の居場所であるホテルに向かう雑賀は、途中でこそこそ
と去って行く大久保議員とすれ違う。
惨殺死体を撮影する雑賀は、ひばりに捜査の邪魔と連れ出される。
ひばりは男子トイレに雑賀を連れ込み、雑賀の股間に触れ、興奮していることを確かめ、
首筋から胸元を舐めていく。
ひばり「あんたは働かなくても良いのよ。ちゃんとあたしが面倒見てあげるんだから」
雑賀「そいつは遠慮したいな」
首筋を噛み、カメラを奪うひばりは、部屋に来た時に還すという。
ひばり「才賀。あんたにパスポートは降りない。この国からも、このアタシからも逃げら
れないんだよ。逃げたら…殺すわ」
ひぃぃぃ。ストーカー女刑事なんですな。
ちなみにパスポートが降りないという事情についてはひばりが邪魔をするからと思った
のですが、公式サイトに書いてある事実からすると、彼自身の問題でパスポートは降りな
いようです。
ビルの一室にある住処に戻って来た雑賀を迎えたのは、同じビルに住むボブ。
又彼氏に振られたというボブは、いっそあんたが私を貰ってという。
男にも惚れられている様子です。
自室の暗室で、雑賀はフィルムを取り出す。
取り上げられたカメラから既にフィルムを抜き取っていたのね。
■いや。もう見つけたぜ
雑賀が撮影した惨殺死体写真を見た戸越(声:広瀬正志)は、でかい黒幕がいると予想
されるこの事件の黒幕を突き止める気が無いかという。
何の説明も無いのでマスコミ関係としか判りませんが、このおっさんは東西通信社社会
部勤務・戸越清冶郎氏です。雑賀が戦場カメラマンとなった頃からバックアップしてくれ
ていて、今も彼の面倒をみている…と公式サイトに書かれていました。
その直後、秘密倶楽部の件を持ち出した戸越。
金さえ払えばどんな欲望でも満たしてくれる金持ちだけの秘密倶楽部。
その倶楽部と今回の事件との関係を訝しむ雑賀に、戸越は厚生次官が殺された時に偶然
現場近くで撮影された車が天王洲グループの子会社の持ち物であることが判明。
あらゆる企業を買収した巨大コングロマリッド天王洲グループ。
その女帝、天王洲神泉の右腕である、六本木開発社長の水天宮寵児が秘密倶楽部の支配
人と噂されていると教える。秘密倶楽部の実態は誰も知らず、出かかりらしい手がかりは
どこにも無い。
しかし雑賀は、写真で水天宮がしているバッジから手がかりを見つけていた。
水天宮の写真を見て「ひでぇ写真だな」と呟くのがカメラマンらしい。
水天宮の写真にあったバッジは秘密倶楽部のバッジな訳ですが、あれ? どこかでこの
バッジを見たのかな? 大久保議員がつけていたのを見たのだろうと推測されるのですが、
首相官邸とホテル近くのシーンの大久保議員登場シーンではバッジはつけていることを確
認出来ません。
■俺はPR写真はやらねぇ。偶々使いたいって奴がいただけさ
雑賀が常連であるらしい、都電の車両を使ったショットバー「荒川車庫前」。
名前はもちろん都電荒川線の駅名ですが、趣味に走ってますね。ミニチュアの汽車で酒
が運ばれていくという辺り、鉄な人の拘りの店のようです。
そこは大久保議員の議員宿舎を観察するのに最適の場所。
ここで張り込む雑賀に、マスターは紛争地の子どもが笑っている写真を使ったポスター
は、雑賀が撮影したものかと尋ねるが、雑賀は俺はPR写真はやらねぇとそっけない。
大久保議員宿舎の電気が消え、出て行こうとする雑賀に、マスターは足下を注意するよ
うに言う。床が崩れて穴が開いたのだという。ジオフロント開発などで、この辺りの地下
は穴だらけだったのだ。
大久保議員の車を追跡した雑賀。大久保の車は工事中の地下へと降りて行く。
そこで、工事の作業員がバッジによる認証で、扉を開ける様子を目撃。
雑賀は扉の先が、丁度「荒川車庫前」の方角であると気づいてバーに戻り、警察が来た
ら車を動かしてくれと鍵を渡して地下倉庫に開いた穴に入って行く。
■ええ。今日は女神様の儀式があるそうですのよ
穴の下は通気口。そこを伝っていくと、高級車ばかりが停車している地下駐車場にたど
り着く。雑賀はこっそりと駐車場に降り立つ。
駐車場ではバタフライマスクをした紳士淑女が集まり、女神様の儀式があることを楽し
みにしている様子。
車の中でマスクをしていた大久保議員を車の中で気絶させた雑賀は、マスクとマントを
拝借して紳士達の中に。…あれ、車の鍵はかかってなかったの?
雑賀「場所を特定させないための仕掛けにしても、専用の地下鉄とはな。どうやらとんで
もねぇ組織らしいぜ」
雑賀の前に現れたのは、汽車の形をした地下鉄。
東京の地下に何時の間にと驚く雑賀。
マッチョ男が来客一人一人のバッジを確認。
それを難なく潜り抜けた雑賀は、秘密倶楽部の中の出来事を目撃。
そこは…半裸の女性達が怪しく身をくねらせている光景、女に焼き印を押し当てられて
いる光景、怪しい薬を吸っているらしい客。
議員、官僚、芸能人などの有名人が、享楽にふける場所なのだった。
深夜枠とはいえ、よくぞ地上波テレビでこのような光景を堂々と放映出来たものです。
普通、ぼかしか何か入れそうなものですが、本作の場合流石にやばい部分は隠してますが、
こういうのを堂々と描いてくるので評価が高いですね。
■こんなところで。見つけた。俺の被写体
秘密倶楽部の中で水天宮の姿を見つけた雑賀は後をつけるが姿を見失う。
水天宮を探す内、迷い込んだ広間。
水天宮「我が秘密クラブの特別会員に選ばれし皆さん。ようこそ、幻想と快楽の宴へ。今
宵また一人、女神様の祝福を受け、究極の快楽を手に入れんと希望する方が現れました。
果たして幸運を手に入れることが出来るのか、はたまた非常な運命が待ち受けているのか、
さぁ、覚悟は宜しいか(略)快楽こそが真実。会せくこそが人生の全て。快楽無き人生な
ど死んだも同然。女神様。この勇気ある者に祝福を!」
広間に集まっている秘密倶楽部の特別会員達。その前、高みから女神様の祝福を受ける
ことを希望する者が現れたと告げる。
中央の台の上に進み出た半裸の希望者。
水天宮が女神様に祝福をと言うと、空から降りて来たのは…。
白いビキニを着、ベールをつけた半裸の少女。
放映開始前に公式サイトを見ていて、神楽がいかがわしい儀式を行わされていたと読ん
でいたので、どんなものかと想像していたのですが。
まさか空中から本当に女神様が舞い降りて来るとは思ってませんでした。
それもかなり際どい格好です。
雑賀「こんなところで。見つけた。俺の被写体」
思わず、雑賀は写真を撮ってしまう。馬鹿だ、こいつ。
それに気付かれ、水天宮は雑賀を捕らえるように命令。
警備のマッチョを投げ飛ばすも、剣を持ったマッチョ達に取り囲まれ、捕まってしまっ
た雑賀は台に引き出されてしまう。
水天宮「この秘密クラブを撮影することは重大な罪。ましてや、神聖なる女神様の聖域を
侵した者には」
特別会員「死を! 死を! 死を!」
マスクを外された雑賀。
ところが女神様は雑賀に近寄ると接吻してしまう。
女神様を雑賀から引き離すように命令する水天宮。
キスした後唾液までくっきりと作画。思いっきりディープキスです。
水天宮「何故だ神楽。あの男にユーフォリアの因子が在る訳が…」
そう疑問に感じつつも水天宮は雑賀の処刑を命じるのだった。
ユーフォリア因子。公式サイトではユーフォリアについて説明されていますが、本編で
は未だに説明がありません(第五話現在)。恐らく、「究極の快楽を得られる存在」とな
ることの出来る因子を持つ者ということなんでしょうけど。
いきなり主人公死亡か? …というところで次回へと続きます。
■次回予告
第二話「唸る札束」
雑賀「舞い降りた女神の本当の姿は金にまみれた毎日と悪夢。
次回スピードグラファー「唸る札束」予言。女神に何が起こったか」
本作の真の魅力は第二話から。
いえ、神楽たんだけで無く(笑)。
では、また。
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