中東情勢
中東、特にイスラエルとパレスチナとの間での紛争が激化を増している。
ゴラン高原へ国連監視部隊の一員として航空自衛隊(輸送)を派遣している日本は状況を把握出来ない立場にいないとは言い切れない。
益して、つい先日首相が両国を訪問していれば、それなりの感触は得ている筈である。
確かに武力で非戦闘員を殺戮する行為は非難されるべきだが、大国のエゴで難民となったパレスチナの立場から見れば、イスラエルが地球上から消滅するまで、或いは自らの民族が壊滅するまで、この抵抗は止められない。
イランがヒズボラに武器援助を行っているとの非難があるが、イスラム教国として当然の事で、直接イランがイスラエルを攻撃しないだけ、控えめな対応と言える。
かつて、イラクがイスラエルにミサイルを撃ち込んで支援したが、そのイラクは現在キリスト教国の占領下にある。
最も非難されるべきは、国境線を無視してレバノンに侵入し、関係の無い人々を殺戮の渦に巻き込んでいる側ではないだろうか?。
血を血で贖うのはイスラム教に限らず、多くの宗教では当然の事として行われて来た。
今回に限り、その事を禁止する事は、単にキリスト教国のエゴに過ぎない。
イスラエルなNATO、やECの介入を受け入れる意思を表明しているが、此は自らに有利な援軍を受け入れると言っているに過ぎない。 介入して一時停戦しても、数年で同じ事が起こるだろう。
16万人の正規軍と最新鋭の武器、そして無尽蔵、無条件で供与される資金と武器弾薬。此に対して1万人に満たないパレスチナ勢力と僅かな旧式武器。 それでも抵抗の連鎖は継続している。
誰もが武力行使は良くないと禁止しようとするが、此は子供が喧嘩している時に大人が理由も聞かずに喧嘩を止めようとしている構図に似ている。 米、英、仏は自らが作った原因でパレスチナ紛争が始まり、報復の連鎖になっている事を認識すべきだ。
第二次大戦の負の遺産が未だに燃え続けている事を認識し、既に大国のみがル−ルを作る時代は終わった事を認識すべきと思う。
もし、本当に和平を希望するのであれば、イスラム教国から編成される監視軍をキリスト教国の軍と混成で派遣すべきで、価値観、宗教観、生活習慣の異なる軍を投入しても単なる武力制圧に終わる。真の和平は双方を理解する事から始まる。穏健派と言われるサウジアラビア、エジプトも参加するだろうし、停戦後のプロセスも実現可能なものとなるだろう。
21世紀の十字軍は発想を転換して派遣しないと旧態然とした暴力と略奪の繰り返しに終わる。共存出来る体制は相互の理解から始まる。
第二次大戦の遺産とすれば、靖国問題よりも遙かに深刻な落とし物である。
周辺国の意見を聞く事から始めないとこの問題は解決しない。
もし、自分がパレスチナ人だったとすれば、異なった価値観、宗教観の押しつけには必ず反発し、自分が死んでもイスラエルを海に追い落とす迄あらゆる手段で抵抗するだろう。
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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