秋の田のかりほの庵のとまをあらみ それにつけても金のほしさよ

春過ぎて夏来にけらし白妙の それにつけても金のほしさよ

あしひきの山どりの尾のしだり尾の それにつけても金のほしさよ

田子の浦にうちいでて見れば白妙の それにつけても金のほしさよ

おく山に紅葉ふみわけなく鹿の それにつけても金のほしさよ

かささぎのわたせる橋におく霜の それにつけても金のほしさよ

天の原ふりさけ見れば春日なる それにつけても金のほしさよ

我が庵は都のたつみしかぞすむ それにつけても金のほしさよ

花の色はうつりにけりないたづらに それにつけても金のほしさよ

これやこの往くもかへるも別れては それにつけても金のほしさよ

以下略

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簪屋のHIDE /* 『死して屍拾う者なし』『七月六日はサラダ記念日』
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