好きなものは好きだからしょうがない!! (第11話:2005/3/19放送分)
加藤 義啓です。
30 #
29 #視聴はテレビ神奈川放映のものです。
28 #以下、アニメに留まらず
27 #原作ゲームのネタバレも含むので
26 #ゲームをクリアしていない方のうち、
25 #プレイするつもりのある方(笑)は
24 #ご注意願います。
23 #
22 #尚、当人は第5話放映の時点で
21 #原作PC版『3』まで解析完了、
20 #『4』コンプリート、解析中(87%程度)
19 #
18 #『ビリプラ』及び『ファンディスク』は
17 #持っていないので『も待て』の内容には
16 #詳しくありません。
15 #
14 #
13 #
12 #略称凡例
11 #『1』…『FIRST LIMIT』
10 #『2』…『TARGET†NIGHTS』
09 #『3』…『−RAIN−』
08 #『4』…『+White Flower+』
07 #『ビリプラ』…『Be-reve Primary』
06 #『も待て』…『もう、待てないって!』
05 #
04
03 .TITLE 11 【復讐】
02 .TEXT ON
01 .SCT 11
00
【第11話 復讐】
もはや傍題アイキャッチも先週までとは
打って変わって、異様な音楽に。
…流石にあの音楽は使えないですか。でも
易くアゲているなぁ…。(禁句?)
真一朗のマンション。空が入り、扉は閉まる。
手にはナイフ。直が笑う。「よく来たね、羽柴…」
「空に何をした!?」
…アニメ版では真一朗は事を知らない、理解
していないという流れのようです。
★ ☆ ★ ☆ ★
保健室。七海の携帯に直から電話が入る。
「お兄ちゃんと二度と会えなくなってもいいの?
早く来ないと、お兄ちゃんにお別れを言えなく
なっちゃうよ?…(真一朗:七海、来るな!!)」
…このリアレンジ自体は良いと思います。
原作の、飽く迄も空1人の視点から見た世界では
無く、それぞれのキャラクターがそれぞれの
場所から同時に物事を見ているという以上、
七海や祭達も彼らなりの立場から事件に関わる
訳ですし、そうした上でアニメなりの独自の
緊迫感を演出しています。
★ ☆ ★ ☆ ★
「俺がどんな気持ちで生きてきたか、お前に
判るか」直は、研究所での空との支え合いを語り、
真一朗に対して「それを…お前達は引き裂いた」と
責める。「あの時は…ああしなければ、2人とも
助からなかった…!」
…直の復讐心をより判り易く描く為に、復讐対象を
ここで尚、脱出劇に絞っていますね。しかし、
それならばそれでチョーカーの伏線等も張っておいた
方が良かった気もします。
真一朗は弁解し、空や七海を巻き込むのは
やめろと言うが直は「お前なんか関係無い!」と
言う。「誰より憎いのは……羽柴…! 置き去りに
された事も、その後、研究所で受けた仕打ちだって、
俺にとっては大した事じゃなかった。何より
耐え難かったのは、羽柴があの時、俺の手を
振り解いたという事実!」
…親殺しの話を持ってこれなくなったので、
この辺りも全て脱出劇にピンポイントさせて
辻褄を合わせています。判り易いと言えば
判り易いですが、事前の伏線が希薄な為か、
後から付け足したような印象が拭えません…。
★ ☆ ★ ☆ ★
精神世界で夜と対面する空。「藤守は何を
言ってる!? 俺が手を振り解いたって!?
教えてくれ本当の事を! この扉の向こうに
何がある!?」
…原作ファンにとっては“扉”は欠かせない
要素の1つでしょう。だからアニメでも登場させる
必要に迫られていたかもしれません。しかし、
客観的に観てかなり唐突過ぎる登場です。訳が
判らなくなるので、いっその事、こんな場面は
飛ばしてしまっても良かったですし、描くならば
描くで、1クールではなく、原作に忠実に1ヶ年
ほど掛けてじっくり進めていくべきでした。
★ ☆ ★ ☆ ★
記憶の扉の中にて演じられるかつての脱出。
置き去りにしたのは真一朗達であった。しかし、
直の手を離したのは《空自身》だった…! 記憶の
蘇る空は発狂する。「くーちゃんにも同じ痛みを
味わって貰いたいんだ」
…この展開には否定的な意見が多そうな気が
します。アニメは原作を大胆に纏めた為、多くの
伏線が端折られた結果、直の復讐の方向性も
そこにある空や真一朗達の心境もかなり差があり、
そもそも空が真一朗を刺す必然性も乏しい気が
してなりません。
「ずっとこの瞬間を思い描いていた…、羽柴が
お兄ちゃんを殺めるこの時をね…!」と言う直。
「それが…お前の望みなのか…?」「さあ、
くーちゃん、償ってよ…!」ナイフを構える空。
「空が壊れてしまう!」と叫ぶ真一朗。
…敢えて、更に引いて解釈すると、或いは
『3』の刺殺劇をベースに、『1』や『2』のラストを
織り交ぜていると解釈する事も出来なくも無い
ですね。それでも矢張り、アニメの流れとしては
急展開過ぎます。
既に空が自我崩壊している事を悟った真一朗は
自ら空に近寄り━━、そこに七海が急行するが、
時は既に遅し。「もう大丈夫だぞ…空…、お前は
何も心配するな…」と空に倒れ込む真一朗の姿が
そこにはあった。
…結局、原作宜しく刺された真一朗。こうなると、
原作を知る者としては、この後の辻褄合わせが
大いに気になってきます。
#中間CFアイキャッチも入らず、CFも2本。
#もしかして今回、本編がいつもよりも長いですか?
七海、祭の前で崩れる真一朗。一方、芥とともに
部屋を出る直、擦違う学。
…飽く迄も芥が原作の相沢役として続行です。
さておき、学の関わりも注目かもしれません。
★ ☆ ★ ☆ ★
綾野の病院で目を醒ます空。真一朗の事を
訊くが、祭も綾野も話を逸らそうとする。
…「犯罪者End」の要素を織り交ぜての
本編続行。
その皆の様子に「嘘だ!」と叫び、病室を
飛び出す空。綾野達は追おうとするが、青が
立ち塞がる。
…ここからは殆どアニメオリジナルの展開
ですね。どのように帰結させるつもりなのか、
原作未プレイの方達と共に楽しみましょう。(笑)
集中治療室の真一朗。七海が付き添う。
そこに奏司登場。「真一朗、それで罪を償った
つもりか。残された空くんはどうなる、そんな事で
直くんが救われるとでも思っているのか。
お前のやった事は、結局、ただの自己満足
なんだよ…」そんな奏司に、男口調で出て行けと
怒鳴る七海。
…この奏司や七海の態度は割かし原作イメージの
雰囲気ですが、話の流れが変わるだけでこうも
役処が違ってくるものなのだなぁ…と。
その様子を見、奏司の顔を覗うと、走り出す
空。一方、とある廃墟の地下に隠された研究施設へと、
芥と直は向かっていた。
…廃教会のようですね。まさかとは思いますが、
この期に及んでクリスを登場させるとか…? 或いは
当初13回シリーズの予定だった気がしますが、
その頃はクリスを登場させる予定で、それの
シノプシスの名残とか…?
白薔薇の手入れをする相沢。「藤守くん。
君には失望したよ。私がどれ程の時間を掛けて
この計画を準備したと思う…。それを君は全て
台無しにしてくれた…」
…漸く相沢の登場です。薔薇園の手入れをする
相沢……。原作からはかなり想像し辛いです。(^^;;;
「君の戸惑ったせいで、水都に自ら
飛び込む隙を与えてしまった。水都が傷を
負ったのは彼の犠牲であって、羽柴 空の
人格操作の結果では無い」「俺にとっては
どっちだって一緒さ。羽柴はこれから自分の
犯した罪に怖れ、一生苦しみ続けるのに
変わりは無い」「君の復讐は完了した、
という訳か…。そもそも我々の利害が一致
していたからこそ、君はこの実験に加担したの
だからね。…だがその割には余り嬉しそうでは
ないな」芥が口を挟む。「己の策に溺れた、
そういう事ですよ」「本気で惚れたか、所詮
君はその程度の人間なのだよ。だが羽柴 空は
違う。だから私は君では無く、…彼を選んだ」
「……どういう事だ!?」
…この相沢の目的は一体何なのでしょう?
単に人格操作の実験という事だけでは、
『好きなものは好きだからしょうがない!!』
というタイトルの意味も無くなってしまうの
ですが…。
#好きという言葉の意味に翻弄される空、
#そのような感情も所詮は脳内の物理現象に
#過ぎないとする相沢、そして薬でしか
#互いを繋ぎ止められない芥と学。
#そうした果てにゲームをするプレイヤーが
#見出す答えが「好きなものは好きだから
#しょうがない」というタイトルそのものです。
#実は逆ギレ的でも何でもない真理を
#表しているタイトルの意味も、相沢の
#真一朗に対する想いがあってのもの。
#それだけに相沢の真意は重要な意味を持ち、
#気になる箇所です。
★ ☆ ★ ☆ ★
改めて転落現場に立つ空。夜を呼び出す。
「お前の方から俺を呼び出すとはな。だから
お前には耐えられないと言ったんだ」空は
皆に守られてきたか、直を傷付けていたか、
それを知ろうともしなかったと自責する。
「確かに藤守は俺を騙してたかもしんねぇ。
けど、10の嘘の内1つくらいは藤守の本当
の気持ちじゃなかったかって、今でもそんな
気がすんだ。俺を騙す事は、藤守にとって
辛い事だっんじゃねえか、でももそうしなきゃ
なんねえ程、あいつの憎しみは深かったって
事じゃねえかって。だったらその憎しみを
背負っていきたい…」と言い、「それには夜、
もうあんたに甘える訳にはいかねえんだ」と
続ける。
…一気に纏め込んでいきます。
転落事故の事を覚えているかと問う夜。
ぼんやりと芥を見た記憶を話す空だったが、
夜は「あの時、奴の後ろには……相沢が
いたんだ」と事の真相を話す。
…アニメ版では相沢を恐れ、その緊急避難の
目的で夜が飛び降りた、それ自体が真相と
いう事になっているようですね。
「俺はもう行かないぜ…。けど、寂しくなるな、
もう、らんに会えないと思うとな」「なんだ、
そっちか!」
…ここにきて漸く空と夜のコント。もっとも
ゲーム中の2人のコントはSDキャラでしたが。
次回予告。以下、全文引用。「空の知った
過去は残酷なものだった。傷付いた真一朗さんを
ただ見守るしかない空。そんな中でも空は、
夜と決別しようと決意する。ナオくんへの
強い思いがそうさせたのかもしれないね。
一方、ナオくんもまた、相沢から残酷な
真実を告げられ、囚われとなってしまう。
ナオくんを救う為、空は遂に相沢と対決する」
…ラストを原作に倣う為、何やら辻褄合わせが
最終回前半の流れになる予感です。
総合評価。
とにかく話を急ぎ過ぎ。リアレンジは
決して悪くないのですが(むしろ良いとも
思います)、唐突に登場する要素が多過ぎて、
伏線としてはやや首を傾げたくなる部分が
残ります。くどいようですが、こうした流れの
話にするならば、最初から長期シリーズとして
企画を組み、原作に沿って地道に続けていく
べきでした。BLゲーが原作だからといって、
毎回濡れ場を盛り込む必要も無し。今シリーズは、
なまじそれを意識し過ぎた為に、今回の
ような濡れ場の一切無い回が異質に思えて
しまいます。全編を通しての評価は最終回以降に
改めて書くつもりですので、この辺りにして
おきますが…。
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I 加藤 義啓 katoocom@eos.dricas.com I
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