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From: "Satoshi Nakajima" <nakajima@chem.gunma-ct.ac.jp>
Newsgroups: fj.sci.chem
Subject: =?iso-2022-jp?B?UmU6IBskQkg/MX48MCRLJEQkJCRGJE48QUxkGyhC?=
Date: Tue, 9 Nov 2004 01:07:11 +0900
Organization: Gunma National College of Technology
Lines: 55
Message-ID: <cmo51e$gfn$1@x1wa.gunma-ct.ac.jp>
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ナカジマと申します。


まず、はじめの質問者の質問に対しては、

"KMochida" <kaormchd@plum.freemail.ne.jp> wrote...
>つまり、
>AgNO3+NH4Cl→AgCl(白)↓+NH4(+)+NO3(-)
>となると言っていいのでしょうか?
:
>つまり、
>BaCl2+ZnSO4→BaSO4(白)↓+2Cl-+Zn2+
>となると言っていいのでしょうか?

は、「等量を加えたときには」という条件を付加したうえで、

  Ag(+) + NO3(-) + NH4(+) + Cl(-) → AgCl(s)↓ + NH4(+) + NO3(-)
  Ba(2+) + 2Cl(-) + Zn(2+) + SO4(2-) → BaSO4(s)↓ + 2Cl(-) + Zn(2+)

としてもらいたいと思います。
なお、これらの式より、左右に共通するイオン(反応の前後とも通して存在する、反応に
関与しないイオン)を取り除いてイオン反応式にすれば、

  Ag(+) + Cl(-) → AgCl(s)↓
  Ba(2+) + SO4(2-) → BaSO4(s)↓

となります。



また、河野さんの、

"Shinji KONO" wrote ...
>あんまり出て来ないと思う。
>    NH4+     ⇔ NH3 + H+
>    H+ + OH- ⇔ H2O
>じゃないのか... でも、言われてみれば、H+ の関与よりも、寿命
>が短くてもH3O+の方が濃度が大きいから効果としては大きいのか。

もし、オキソニウムイオンを考えるのなら、水中のプロトンは、ほぼすべてオキソニウム
イオンであると考えるのが普通だと思います。(オキソニウムイオンの寿命の具体的数値
については詳細を知りませんが、そもそもオキソニウムイオンとはプロトンが溶媒中で溶
媒和を受けているものなので、水素結合の移動により「ある特定の原子の組み合わせから
できたオキソニウムイオン」が壊れても、次の水とまたオキソニウムイオンを生じるので
あれば、そういう意味でのオキソニウムイオンの寿命は、溶液中のバルクのオキソニウム
イオンの量の減衰は示さないでしょうから、この寿命が短くてもうんぬんの議論はどうな
のでしょう?)
とはいえ、もしそこまで細かく議論するのであれば、たとえば Zn2+ イオンだって水中で
はヘキサアコ亜鉛イオン [Zn(H2O)6]2+ になっているでしょうから、ここは簡単に H+ で
問題ないと思います。アンモニアだって、水中では NH4OH だろうし、そもそも水中で溶
媒和を受けていない単分子の水などというものがあるのかも…   ;-p

--
Satoshi Nakajima