>>>>> In <ch5kl3$gc7$1@caraway.media.kyoto-u.ac.jp> 
>>>>>    Yoshitaka Ikeda <ikeda@4bn.ne.jp> wrote:
> > これこそ、まさに戦争犯罪の相対化というやつじゃないですか?
> > 捕虜の虐殺や民間人殺害・婦女暴行・略奪、中国で日本軍がやってきたことは
> >戦争犯罪のオンパレードです。決してナチスのユダヤ人虐殺を持ち出して、免責
> >されるような類のものではありません。

Ikeda> 戦争犯罪は「個人の犯罪」ですよ?
Ikeda> 国家の問題じゃないんです。東京裁判その他で裁かれましたよね。

  「個人の犯罪」を防止する有効な対策をとらなかったことは、国家の問題だ
と思います。(不作為の罪。)
  たとえば、(南京攻略戦など、)補給軽視で作戦を実行したために、掠奪(そ
れにともなって虐殺や強姦が起きることもある。)が頻発したと言われていま
す。
  (「徴発」と言われる現地調達にたよった旧日本陸軍の体質は有名だと思い
ます。)

  また、強制連行や慰安婦(*1)の問題についても、たとえ、軍や政府の最上層
部が人権侵害を承認していた記録がないとしても、現場がやっていたことを将
校クラス以上も知っていた記録があるわけだから、それをあらためずに黙認し
続けていたことは国家の問題だと思います。

  これらの不作為の罪による加害は決っして小さくなかったし、満州事変から
約14年間、抜本的な改善がついになされませんでした。これを「国家の問題じゃ
ないんです。」とはいえないでしょう。

(*1)
  慰安婦に未成年がいたことや、慰安婦に、日本本土の公娼には認められてい
た権利(「拒否する自由」「外出の自由」「廃業の自由」)が与えられていなかっ
たこと、そのために酷使された慰安婦がいたこと。すくなくとも、これらは重
大な人権侵害でしょう。(「性奴隷」という呼びかたもされる所以です。)
  吉見氏らの研究によれば、慰安所の中には軍直営のものもあったくらいで、
民間が好き勝手に運営していたというものではなく、慰安所規則を軍が決めて
いたとのことです。

Ikeda> ちなみに、戦争責任で国家にかかわるものは「開戦責任」ですが、
Ikeda> 歴史上の研究から言えば、日中戦争の開戦責任は中国共産党にあるようです。
Ikeda> 共産党による発砲がなければ、国民党と日本軍はそのまま停戦するところだっ
Ikeda> たはず。

  これは、いつのどのような事件のことでしょうか? (年月日とできごとの前
後関係の概要を教えてください。)また、誰による研究で、どの文献にのって
いるかも教えていただければ、ありがたいです。
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兼松真哉