心の不細工 Re: 靖国問題と中国
"NAKAMOTO Tetsuya" <tetsuzou@pop02.odn.ne.jp> wrote in message
news:ch3b8h$mqp$1@nwjp2.odn.ne.jp...
> 河野さん wrote...
> Message-ID: <3990386news.pl@insigna.ie.u-ryukyu.ac.jp>
> > 自分の隣の人が、殺人犯を神としてあがめていたらどう思う?
河野先生、こういう架空の問題を設定すると、それに答えていく途中で
ご自身も架空の問題ではないように感じてしまうという過ちを犯す可能
性がありますゆえ、問題の建て方には十分にご注意あれ。ここでの議
論は正にそういう場合なのです。
すなわち、「自分」はこの場合中国であって、「隣の人」が日本(人)、「殺
人犯」は戦争責任者のうち東京裁判で理由ははっきりしないけれども縛
り首に合った人々をさし、「神としてあがめ」るは靖国神社に参拝する事
でしょうが、そもそもこのような捉え方が間違っています。
まず、問題の小泉首相の参拝目的は「理由ははっきりしない」けれども
戦犯として処分された人々の少なくとも主観的な無念の気持ちにお悔や
み申し上げるのと、一般に戦地で命を落とされた無念の御霊に安良かに
眠ってほしいと祈るという一点に有るのであって、決して「神としてあがめ」
奉る趣旨から出たものではないのです。かれ自身はしばしばこのことに
は触れてきている。
わたくしは、戦前戦中戦後と一本の棒として捉えたときには、むしろ戦後
平和に生きている者だからこそ行なうべき参拝ではないかと思う者の一
人であります。もっと言うならば、このたびの戦争が侵略戦争と「評価」さ
れるもので有ればこそ、無駄な事、誤った事が原因で命まで落とすハメに
なったことについての気の毒さであります。誤った「手法」であったにせよ、
日本国を思う一心から出たものであり、このことは他の戦没者について
もほぼ同様なはずであります。この一心自体は戦前戦中戦後を通して決
して誤ってはいない。ここに着眼してのものだということを忘れて頂きたく
はない。
> たとえばある殺人犯が死刑になったとして、犯人の家族が犯人のお墓参り
> に行っても全く不愉快には思いません。
> 人として――少なくとも日本人としてそれは当たり前のことだから。
残念ながら、私からすれば的外れの小泉援護だと思う。小泉氏の考えは
あなたのよりはもっと繊細であります。小泉氏は恐らく、一般国民や国際
意識とは明らかに「特異な考え」を持ち「特異な目的」から他の誰もが採っ
たことのないような「異常手段」で「殺人」を犯したのであれば、誰がお墓
参りに行っても少なくとも内心では「不愉快」に思うでしょうし、自らもそん
なものには日本人であったとしても墓参りなどしないでしょう。このたびの
戦争では、そのような「殺人」とは言えないからこそ参拝をするのです。
>
> まぁ、マクロ(国際)の話をミクロ(個人)の話と比較したって無意味だよな。
この問題は、そんなマクロやミクロとか、表面的に捉えて済ませられる事
柄ではありません。すぐれて心の問題なのであります。
> 本音を言えば別に私が中国人を殺したわけじゃないし。紀元前より数々の
> 民族を滅ぼしてきた漢民族が全く自省していないのに、何で私が反省しな
> けりゃいけないわけ?って感じ。
そんな事はどうでもいいです。問題は、小泉氏の靖国参拝について中国や
その他から、内政干渉とも取れる的外れな批判が為されている事に対して
われわれ日本人はどう対処するべきかなのです。
> 史上何度も虐待・虐殺されたユダヤ人が今は大量虐殺する側に回っている
> のを見ても分かる通り、人類全体の性(さが)として反省するのが正しい。
「正しい」って、あーた、どうして正しいかが内容でなければならない筈なの
に内容の外に有る結論でもって内容に代えるあたりは大して思考していな
いように受け取られますよ。注意されたし。
> したがって、むしろ被害者意識を振りかざして暴れている国の連中が反省
> しない限りいつまで経っても同じ惨事が繰り返され得ると思う。
> 逆説的だけどそれが真実。
「それが真実」って、あーた、これも…。あなたのような方が蔓延していると
すれば、そりゃア、「同じ参事が繰り返される」でしょうなぁ。m(_"_)m
話しを戻して、小泉氏に代表される、靖国参拝問題無し派の考えをまとめ
ると、その根底には、
(1)此度の戦争では過ちもたくさんあった。此れは改めるべき。特に、「侵略
戦争」と見られているようなところ。以後このようなことは決して行なわない
ことを誓う。
(2)「国家のため」と言う一点にのみ目標を置き、それが後になって誤った部
分の多い戦争だと評価され、ために、そのような戦争に借りだされ無駄死
にという無念の命まで失わせてしまったことに対するお悔やみを国家規模
で、いわば「遺族」の代表として心から死者の冥福を祈るのは、平和に生
きる国民の代表である一国の宰相としては、むしろ当然である。
以上(1)(2)の考えが横たわっている。そしてそれは問題なく完全に両立する。
それと、日本人の「謝意」、すなわち、木の根子に感謝し、石ころにも感謝する
気持ちは、今平和に生きられるのはあなた方の大いなる犠牲の上に成立って
いるとする心と一致するものであります。この部分は理屈を飛び越えている。
このことを忘れないで頂きたい。不細工な精神生活を送っている国民には終
ぞ理解のできない事であろが。
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Golden Cross
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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