中川@つくば です

"Kenji Kobayashi" <kenji@nasuinfo.or.jp> wrote in message
news:cf71us$2934$1@news.jaipa.or.jp...
> 量子コンピュータは、デジタル・コンピュータというよりアナログ・コンピュータ
> に近いものです。アナログ・コンピュータの適用範囲は限られます。

昔のパリティに、電子波デバイスがらみで辛口の評論があり、
干渉を利用するデバイスは、スイッチングデバイスとして不適、と書かれていまし
た。
おなじ評論に、どうして研究者は根源的な問題点を一番後回しにするのか、とも書か
れていました。

"Shinji KONO" <kono@ie.u-ryukyu.ac.jp> wrote in message
news:3990154news.pl@insigna.ie.u-ryukyu.ac.jp...
> 河野真治 @ 琉球大学情報工学です。
> パーセプトロンの時みたいに限界を示す定理みたいなものが証明
> されると一気に萎むだろうっていうのは想像が付くけど...

コヒーレンスの持続時間と相互作用時間との関係を考察して、
大規模量子コンピュータは無理、という結論を読んだことがあります。
その頃から、アメリカでは研究が一気に萎えてしまったようです。

"Hiroki Kashiwazaki" <reo@cc.hokudai.ac.jp> wrote in message
news:86d61yedeh.wl@soro1.cc.hokudai.ac.jp...
> というか量子コンピュータが現在の汎用 (というとメインフレームを指す
> ような気もするけど…) 計算機の代替になる、という記事なんてどこで読
> まれましたか ?

普通、通俗解説記事で「コンピュータ」と書けば、
現在の汎用計算機を指すでしょう?
そういう意味で使ったのではない、と記者が言うのなら、
それは意図的に読者を誤解させたと決め付けて構わないと思います。
記者自身が騙されているのかもしれないけれど、
記者は承知の上というのも大いにあり得ます。
だって、次世代の汎用計算機であると読者が誤解しなければ、
読者の興味をひきつけることは、まず不可能でしょうからね。

"Kenji Kobayashi" <kenji@nasuinfo.or.jp> wrote in message
news:cfe605$s1c$1@news.jaipa.or.jp...
> 逆に教えて下さい。一般向けの量子コンピュータの記事で、普通の読者が後で、
> 「おっしゃるような量子コンピュータでは私が普段使っている Word は動かな
> いんですね。」と聞き返すような記事があるでしょうか。量子コンピュータに
> よってパソコンが速くなると思わせるものばかりだと思います。

ある程度フレキシブルな「(やや汎用)シミュレータ」
と言えるものならば、Wordだって動くだろうし、
少しは並列性の恩恵を受けて速くもなると思います。
今の量子コンピュータの状態は、それよりはるか以前の状態で、
プログラム内蔵マシンをコンピュータの起源とする立場をとれば、
コンピュータとは言えないものの段階だと思います。

"Shinji KONO" <kono@ie.u-ryukyu.ac.jp> wrote in message
news:3990192news.pl@insigna.ie.u-ryukyu.ac.jp...
> で、量子コンピュータの計算モデルを決めることが出来れば、その
> あたりの変換をすることができます。量子コンピュータは、その内
> 蔵する並列性と非決定性から、非決定性テューリングマシンに相当
> する性能を持っているんじゃないかと期待されます。ってことは、
> NP完全な問題を多項式時時間で解けるだろうってことです。これは、
> かなり広い範囲の問題で高速化できるってことです。数百年かかる
> 計算が10秒で終るとか、そんな感じ。

計算実行部分は、決定性チューリングマシンとして動作していますよ?
結果の選択読み出し部分で非決定性が出るけれど、
これは、単に欠点でしかないですよね。

"Kenji Kobayashi" <kenji@nasuinfo.or.jp> wrote in message
news:cfjlmb$29gm$1@news.jaipa.or.jp...
> でも、結果とし発生しているミス・リーディングが量子素子研究予算の配分を
> 歪めているようにも見えます。量子素子でグーグル検索すると、量子コンピュ
> ーターが二割近く出てきます。この割合で研究予算の配分がなされていたら誤
> りです。
>
> 量子素子は目前の解決すべき、でもまだ進路も不確かな研究課題です。すでに
> ゲート膜厚さ 1.2 nm まできています。シリコンの結構面間隔 0.2 nm を考え
> れば、LSI の微細化を、このあと一桁以上進めることは CMOS では無理でしょ
> う。20 年もたたないうちに量子素子の出番となるでしょう。
>
> その量子素子は、波動関数の縺れや、無数とも言える固有状態の重ね合わせを
> 利用するものではないでしょう。量子コンピュータ研究が解決を目指している
> 方向ではないでしょう。波動関数の制御が難しすぎます。そのような可能性の
> 薄い方向に量子素子の研究予算が配分されているとしたら誤りです。

シリコンの目から見れば、量子素子自体が、
ミスリーディングの賜物のようにも思えたりします。

将来のディジタルエレクトロニクス素子の研究予算の二割が
量子素子に消えていったら、おかしい、と言えるけれど、
量子素子研究予算の二割が量子コンピュータに消えても、
おかしい、と言う自信は私にはありません。

"Hideki Kato" <katoh@pop12.odn.ne.jp> wrote in message
news:411da345.6977%katoh@pop12.odn.ne.jp...
> #CMOS の微細化や量子素子以外にも多くの候補技術が存在します.

例えば何でしょう?
というか、加藤さんはITRSロードマップの中の
Emerging Devicesを念頭においているのでしょうが、
リストアップされているものはどれもこれも、
一昔前に真剣に検討されて、その後、使い物にならん
ということで、放棄されたものばかりでしょう。
もちろん周辺技術の発達によって再検討の価値あり、
という意見が出ても大いに結構なんですが、
どうもそういう状況にあるわけでもないのでは、と思います。

それに比べると、量子コンピュータは、
ダメである事すらも明らかにされていない、という段階なのかな。

以下余談
(無神経なことで有名な教授が、量子計算機室のドアをいきなり開けて)
教授「おっ、計算は順調に進んでいるのか?」
助手「はい」
教授「……それにしてもこの部屋は、今日はやけに暑いな」
助手「ああ!、先生、それを言っちゃ駄目ですよ。今、計算途中で、
   波束が収束しちゃいました!」